28話 2人の耳に届いた言葉 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

帰ってきて、由紀は着替えることもせずに、ベッドにダイブした。


そしてケイタイを見る。


早く電話来ないかな。


待ち遠しい電話はなかなかかかってこない。


とは言っても、まだ別れてからそんなに経ってない。


由紀の家の近くの公園で会ったため、まだ直樹は家にすらついてないだろう。


由紀は欠伸をして、大きく伸びる。


もうすぐあと一時間。それで、由紀の誕生日は終わる。


誕生日。それは一年に一回しかない特別な日。けれど、他人から見たらただの平凡な一日。


一年の中には、ゴールデンウィークやクリスマスや正月。光り輝く行事が並ぶ。


その中で自分の誕生日はどれくらいの位置づけになるのだろう。


当然、他人にはなんてことない日。それでいい。


でも、直樹には今後はクリスマスや正月よりも、大きな日。そう思ってほしい。


来年は誕生日を覚えていてもらって、一緒に祝ってほしい。今年、ほとんど会えなかった分、来年は・・・。


(来年・・・か)


来年の2人は今も変わらずに、こうして関係を続けていられているのだろうか。


人の心は移ろう。どこにも保証はない。


不安になる。けれども、絶対に口には出せない。


ずっと先の話をすれば、重い女って思われそうで・・・。


不安という名の闇は消えることを知らない。


付き合っていく限り、永遠に由紀の中にい続ける。


どんなに苦しくて、つらくてもそれに向き合わなくてはいけない。恋や愛は傷ついたり、苦しんだり。そういうものなのだから。


感情は邪魔だ。それがなかったらどれだけ、楽に生活をできるだろう。と思う。


だけど、逆に感情がなかったらその人生は楽な半面、つまらないものになるだろう。


そう考えるとあるべきものなのだけれど、辛い時とか苦しい時とかは特に考えてしまう。


感情の消去を。


努めて冷静に、何も考えずに無心になって。


それでも、一瞬の隙に感情の欠片が入り込んできて。壊れそうになる時がある。


恋愛に対しても、他のことに対しても。


繊細で脆い自分の心は簡単に崩れる。


玲奈みたいな強い心を持ってる人が羨ましい。


由紀は玲奈と違って、振られても笑って次に進めるなんてことはない。


どれほど引きずるだろう。どれほど泣くだろう。


どれほど彼の顔を思い浮かべるだろう。


少しでも、長くいられたら・・・。


そんなことを考える自分に疑問を投げかける。


恋の延命にどんな意味があるの?って。


いつかはどちらにせよ、別れが訪れる。苦しむ時が来る。


それを先延ばしにしてるだけ。


そんな、ひねくれたもう1人の自分に諭す。


恋愛はきっと、今を笑顔にするものであって先のことなんて考えない、無責任なもの。でも、それが正解。


一見それは悪に聞こえるけど、今が笑顔でなければ、その先の幸せなんて見えないのだから。


自分の中で答えがまとまり、感情が落ち着いてきた時、電話が鳴った。


「もしもし」


彼の声が聞こえた。


「ほんとにごめんな」


続けて彼は言う。


「知らなかったんだし、大丈夫だよ」


その後に、数回のやり取りを終えた後に、由紀は切り出した。


「私のこと呼んで?」


今、自分が笑顔になれるための一番大きなもの。


「えー・・・」


渋る彼に「お願い」由紀は見えない相手に手を合わせた。


そして待ちわびた言葉が耳に届く。





『由紀』



17歳の由紀。27歳の由紀。


同時に届いて、2人の胸を熱くさせた。





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名前を呼ぶまでに28話かかりましたね。


つか、これで終わりでいいんじゃないの?って感じの切れ方ですw


でも、まだ終わりません。


ん~・・・長編になりそうな予感がしますw


次回は日曜日の7時です。