20話 不格好なままじゃなくて | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「わぁ・・・」


目の前に上がった花火は何にも遮るものがなく、まさに絶景の位置からの光景。


「これを見せたかったんだ」


彼は照れながら微笑んだ。


ドーン・・・ドーン。


何発もの花火が宙を舞う。


「ありがと」


たくさんの色彩の花火。違うのは色だけではなく、形も。オーソドックスな花火もあれば、星型の花火など様々で観客の目を楽しませる。


由紀もその1人で、花火から目を話せなくなっていた。


そんな由紀に直樹は苦笑しながら、一度家の中に戻っていく。


由紀は、どこに行くのだろう?そんな疑問を抱きながらも、花火に夢中になっていた。


お祭りというものに行ったことがほとんどなく、数少ない行ったことのあるお祭りでも花火は上がらなかった。


というより、由紀は花火を避けていた。


最初に見に行く相手は恋人がいい。って思っていたから。


花火が綺麗な瞬間を映しだすのは一瞬に過ぎない。


その連続の中で、いつしか終わりが来る。終わりが来た時、静けさが訪れて寂しくなる。


だから、終わった後に、好きな人が傍にいたらいいなって。きっとそんな思いをしなくなるだろうから。


今まで音だけで聞いてきた花火。


遠くで、どっかで上がっているんだな。って思っていただけの花火。


テレビでは見たことあるけれど、実際に見てみると、こんな綺麗なものなのだと、初めて知った。


遅すぎる初体験。でも・・・。


直樹が缶ジュースを二つ持ってきて、一つを由紀の前に置いた。


「ありがと」


一つ一つ、色々なことを直樹から教えてもらって、想いを共有できたらって思うんだ。


好きな人だと一緒にいて楽しいし、さらに素敵な場所に行けたのなら、これ以上ない幸せな瞬間になる。


連続していた花火の音が一度止まり、宙に浮かばなくなった。


・・・終わりかな?


そんな疑問が頭をよぎった時、一つ、バーンと大きな音を上げて、花火が宙を舞った。


その花火はピンク色でハートを模ったもの。


けれど、ハートの上の部分は通常よりも潰れていて、斜めを向いていた。


何とも不格好なハートだ。


不格好すぎて、想いがちゃんと通じ合っていない今日の2人のことを思い出す。


直樹への不満が募る自分に、喜ばせようと、この場所に連れてきた直樹に。


着いた途端に花火が舞って、私は目を奪われて。


ここでくさいセリフの一つやキスだってありなのに、直樹はなにもしてこない。


恋人になって最初のデートであることは確かだが、キスだって普通じゃない?


昔なら、まだ早いなんて思うかもしれないけど、最近は中学生だってキスを簡単に済ますんだ。


今の由紀と直樹は17歳。


大人に近い思考を持ち、体も大人だ。


階段を上っていくのも、もう・・・いい時期だと思う。


告白だけして想いが通じ合っただけの2人のハートはまだあの花火のようにちゃんとした形にはなっていない。


言葉だけで通じあっても、行動で示さないと何も変わらない。


変えてほしい。そう願う。


ちゃんと、直樹の恋人になりたい。


不完全で曖昧な言葉だけじゃ足りない。


キスがしたい・・・。


気付けば、由紀の目には花火は映ってはいなく、直樹の横顔がそこには映っていた。


直樹は缶ジュースを飲みながら花火を眺めている。


すると、由紀の視線に気づいたのか、直樹が由紀の方を見る。


「どうした?」


不思議そうにそう口にして。



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お祭り、長いですねww


まだ終わりないしw


もう少し、お付き合いください!w


次回は明後日の金曜日です。


多分、お祭りはこの回で終わります!