31話 恋人 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side綾音~


「綾音が好きだから」


今でもその言葉が頭の中で繰り返される。


嬉しかった・・・よりも複雑だった。


一度もそんな対象で見てこなかった相手。ずっと友達だと思っていた相手。


そんな相手からの告白。


これでよかったのかな。今になって疑問に思ってしまう。


考えたところでもう意味はないのに。


綾音は落ちてくる紅葉を眺めながらため息をひとつついた。


もう秋だ。恋愛で悩んでいる場合じゃない。


もう付き合うことは決めたんだ。これ以上考えるな。


自分にいい聞かせて・・・なおそれを考えてしまう。


不器用だなぁ。そう思う。


「ごめん待った?」


淳一が笑顔で、現れる。


屈託のない笑顔に少しだけ嫌悪感が芽生えた。


「いや、全然」


「じゃあ、行こうか。後ろ乗って」


「うん」


綾音は自転車の荷台に乗る。


荷台は乗り心地はけしていいとは言えないが、漕がなくて良いから楽だ。それに、ニケツはカップルの代名詞でもある。


もっとも、恋人になる前からやっていたことではあるのだが。


「行くよー」


一度、淳一は立って自転車を漕いだ後、座り直す。座った後の前にあるがっしりとした背中にそっと触れる。


悠太よりもたくましい背中。運転にも安定感があり、後ろに人が乗っているのを感じさせない運転だった。


悠太君の時は、危なっかしかったからなぁ。


思い出して、顔がほころぶ。


「ん?どうした?」


背中に目でもついているんだろうか。それとも、笑ったのが声に出ていたのだろうか。淳一が反応する。


「なんでもないよー。それより、勉強は順調?」


悠太のことを出すのは不謹慎かと思い、綾音は話題を変える。


「あんまり。綾音は?」


「ぼちぼちかな」


「なにそれ。模試の結果とかはどうなの?」


「A判定だよ」


「余裕じゃん」


受かったも同然だな。淳一は続けてそう言った。


「淳一は?」


当然のように綾音は聞き返す。


「B判定。少しやばいんだよね。だから図書館で勉強。綾音、教えてね」


「えー・・・いくらで?」


冗談交じりにそんなことを言ってみる。


「金とるのかよ」


「もちろん」


「じゃあ、図書館までの交通費ってことで」


「却下です」


背中しか見えない相手に綾音は舌を出す。


「恋人なんだからいいじゃん」


・・・恋人か。


淳一の言葉に反応する。友達から恋人になって、何も変わらないわけじゃない。


こうやって今はまだ、昔みたいな会話や行動をしているけど・・・。


いつか一定の距離感を持った関係が崩れて、一気に近くなる。手を繋いでキスをして。セックスをする。


今の2人はそんなことをするのが普通の関係。


キス。淳一とするその行為に想像がつかない。


・・・やっていけるのかな。




一度崩れた関係はもう戻らない。


突き進むしか道は残されていないんだ。




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ん~・・・。


稚拙になってきたぞ・・・。


やばいな。


次回は明後日の金曜日です!!