27話 その背中を見て | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「え・・・と・・・」


綾音は言葉に詰まる。


「ごめん、やっぱ迷惑だよな」


淳一は悲しげな顔をして、下を向く。


こんな淳一を見たら、綾音は慰めをする。どうしたの?そう聞いて。けれど、今回はそれができない。


原因は綾音にある。


「迷惑じゃない・・・けど」


なんていえばいいだろうか。綾音は戸惑う。


間違いなく、今自分の気持ちは悠太にしか向いてない。悠太は他の誰よりも圧倒的に大きな存在だ。


でも、ここで淳一を振ってしまったら関係はどうなるだろう。


今までみたいに遊びに行けなくなる。自分の安らげる、笑顔になれる空間が麻衣だけになる。


それは嫌だった。淳一は今大切な存在だ。


こんなことで関係を壊したくない。


「ごめん、聞かなかったことにして。もう夜だし帰ろうよ。お母さん心配するかもしれないし」


綾音が答えを模索していると、淳一は薄く笑って、綾音の返事も聴かずに歩きだす。


分かっている。淳一のその表情からそう読みとれた。


表情を見ればお互いに分かるんだ。何を思っているか。次のどんな言葉を発するのか。


それは、まるでテレパシーのような便利なものであるが、同時に不便なものでもある。


相手を見ただけで、察することができてしまうのだから。


自分にとって嫌なことまでも・・・。


淳一は綾音の困惑した表情を見て思ったのだろう。自分の恋は報われないのだと。


寂しそうな背中が映る。それが自分のせいだと思うと悲しくなる。


罪悪感が募ると同時に、嫌な想像をしてしまう。


今、引き止めなかったら、遊びに行くことはおろか、会った時笑顔を見せてくれることすらないのではないかと。


だけど・・・。そんな理由で彼を引き留めていいのだろうか。


付き合うというものはお互いに好き同士だから成立するものだ。


考えているうつに少しずつ、淳一が遠ざかっていく。


(やっぱ、綾音は不器用だよね)


麻衣の言葉を思い出す。


確かに、器用ならば簡単に淳一の背中を抱きしめて、付き合おうよ。なんて言えるはずなのに。


悠太との恋は終わったんだよ。


自分に言い聞かせる。


終わってしまった恋はもう元には戻れない。


同じ形の恋は二度存在することはない。


違う形での悠太との恋を思い描くのもいいけど、それは所詮妄想の中の世界だけで触れることはできない。


もう一度会えたら・・・そう自分の意思を固めたけど、じゃあ逆に会えなかったら?


隣に誰もいない自分は惨めで情けない。


頼りたくなる場所はほしくなる。欲しい時になかったら意味がない。


器用に・・・器用に。


呪文のように綾音は自分に言い聞かせて、淳一のもとに走る。


そして、後ろから抱きしめて


「行かないで」


そう言った。


それはもちろん本心から出た言葉。


だけど・・・違う。


友達としていなくなって欲しくなかった。


それを恋愛のニュアンスで言ってしまったから、その言葉は本当であり、嘘でもある。


それは淳一も分かっていたようで・・・。


「本当にそれでいいの?」


この問いに迷ったら、淳一はいなくなる。


そう思った綾音は、うん。そう即答した。




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これでいいのでしょうか・・・。



とは思いますがww



みなさんがこの状況だったら付き合いますか?



次回は明後日の月曜です。