22話 突然の再会 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

試験官の登録はすんなりと終わって、勤務する日付もすんなりと決まった。


そして、今日がバイトの当日。


試験予定に書かれた模試はすべてセンター対策のものだった。


「今の俺が受けたらほとんど解けないだろうな」


大学二年の夏休み。もう現役からは遠く離れている。


大学入試から、二年半も経ったんだな。そんな風に思う。


時の流れは驚くほど速い。


中学生になったな、なんて思っていたら、すぐに高校生になっていて。


気づけば、間近にセンター試験が迫っていて。


そして、今は大学生という中で堕落した生活を送り、就職という人生最大の壁を少しずつ、現実的にとらえようとしている。




入学式以来だろうか、久しぶりに悠太はスーツを着た。


少しだけ茶色が入った髪は黒一色のスーツだと目立つ。


私服を着て学校にいるときは、全く目立つことなんてないのに。


髪にワックスをつけながら、綾音とした会話を思い出す。


「私、茶髪とか嫌いだったんだけどさ、びっくりした」


「なにが?」


「全然、気にならない。むしろ、それもまたいいかもなんて思ったよ」


おとなしい笑みを浮かべながら綾音は言った。


「よかった。否定されるかと思った」


「いやいや。多分、好きな人なら、すごーく似合わないとかじゃない限り、よく見えちゃうんだろうね」


そんな会話をした後、綾音は茶髪の悠太君も好きだよ。


顔を赤らめながら言った。


それから、悠太の髪はずっと茶色いまま。


・・・黒にしようかな。


悠太は極力、綾音との思い出を忘れようとしていた。


思い出せば、また比較をしてしまうから。


絶対に、そこには幸せはない。


記憶は完全に消えるものじゃない。良い思い出も悪い思い出も、記憶の中に居続ける。


だから、檻に鍵をかけて沈めればいい。


思い出すためのたくさんの鍵を全部捨てればいいんだ。


ネクタイを締めて、かばんを持って、悠太は家を出た。


燦々と照り付ける太陽が、日向に出るのを躊躇させる。


けれども、そんなことでいちいち立ち止まるわけにもいかない。


悠太は歩きだして、駅に向かう。駅に着き、30分ほど電車に揺られて、都会に出る。


ケイタイを使いながら、目的地を見つけ、中に入った。クーラーが効いているのか、急激に体が冷えた。


悠太は手筈通りの準備を終えて、あとは模試を受ける生徒たちを待つだけとなった。


初めての仕事で少し緊張する。


何か聞かれたらどう対応すればいいのか、問題が発生したらどうするのか。


心配性の悠太は、こういう時、気楽に構えてられる人がうらやましいと思う。


試験の時間が近付くにつれて、ぞくぞくと生徒が入ってくる。


その生徒たちも様々で、席に着くなり、参考書を開いたり、あくびをしながらケイタイを見たり。


自分だったらどうしているだろうか。


きっと、頭に入りもしないのに、参考書を読んでいるだろうな。


想像の中で、ダメな自分を想像して内心肩をすくめて苦笑した。


時間になり、試験が開始する。この時点で空席が3つあった。


ちゃんと、席は埋まるのだろうか。そんなことを考えながら教室内を一望していると、ドアがゆっくりと開いた。


どうやら、三人のうちの一人の遅刻者が来たらしい。


悠太は時計を見る。


5分オーバーか。まあ、遅刻者にしては優等生だな。


もっとも、遅刻者を優等という括りにしていいのかは問題ではあるが。


「すみません、遅れました」


小声で、女の子は言った。


女の子で遅刻って珍しいな。悠太には、女の子はしっかりしているという先入観があった。


悠太は近付き、顔をあげて、その子の顔を見る。


「え・・・」


悠太は絶句した。そこにいたのは・・・綾音だった。

綾音も悠太同様、驚きの表情を浮かべている。


なんでここに?


その疑問を投げかける言葉を飲み込む。忘れてはいけない。自分は試験監督だ。


悠太は綾音を席に誘導する。


綾音を席に座らせた後、悠太の頭の中は試験官として全うできるかということは消え去り、綾音がここにいるという事に対する動揺でいっぱいになっていた。



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眠いなぁww


今日で夏期講習は一旦終わります。


ストックためたり、他の小説書いたり・・・いろいろやることもありつつ・・・


頑張ろう。


次回は明後日の水曜日です。