17話 変わらない。けど、変わった | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

受験も悠太への想いも、すべてを消し去りたい。そんなことを思う。


けれども、その二つは依然として頭に残り続ける。


嫌になる。考えることそのものが。


「随分と暗いんだな」


学校からの帰り道、ふと後ろから声をかけられた。


聞き覚えのある声。だけど、声だけで誰かは分からなかった。


綾音は後ろを振り返って、相手の顔を見る。


「あ、久しぶり」


そこにいたのは淳一だった。


淳一は隣の家に住んでいる幼馴染だった。歳が同じということもあり、小さい頃は一緒によく遊んでいた相手。中学や高校に入ると、思春期ということもあり、男女間で遊ぶことは気恥しくもあり、憚られた。


それでも、仲の良い数少ない男の友達だ。


そんな淳一は、半年ぐらいだろうか。会わないうちに見た目がずいぶんと変わっていた。


短く、黒の清純な髪の毛は伸びて、茶色が少し入っている。


顔は変わることはまずないが、それでも、髪の毛だけで人の印象は当人が思うより、はるかに違うものとなる。


淳一はそんな自分の他人の評価の変化に気づいているだろうか?


「うん。久しぶり」


そう言って笑顔を見せる淳一は、昔と変わらない。少し・・・ホッとした。


髪は変わっても、笑顔は変わらない。


「今帰りなの?」


淳一は綾音に聞いた。


「うん、そうだけど」


淳一も?綾音は続けて聞いた。


「そう。疲れたー」


オーバーなリアクションを取りながら淳一は答えた。


「部活は?」


綾音は聞く。確か、淳一は部活に入っていたはずだ。高校に入って間もないころに聞いたことがある。野球部に入った、そんな話を。


だから、まだ5時。こんな時間に帰ってこれるはずがない。


「もう、辞めたよ」


彼から笑顔が消える。そして、バツが悪そうにそう答えた。


「そうなんだ。それにしてもタイミング悪くない?」


野球のことはあまり知らない。けれど、もうすぐ三年生。どの部活でも共通のことだが、これから最後の大会が控えている、そんな時期だ。


「色々あったんだよ」


彼は言葉を濁しながらそう答えた。


答えたくなさそうな彼の表情を察して、綾音はそれ以上聞くのをやめる。


「そっか」


髪を伸ばして、茶髪にして。そこまでしたくなる何かがあったのだろう。


「綾音は最近何かあったの?」


「なにが?」


「背中が暗そうだった」


「別に、なんにもないよ」


暗い理由は彼のことを引きずっているから。


そんなことを久しぶりに会った幼馴染に言いたくはない。


「ふ~ん・・・。まぁ、いいや。この後暇ならどっか行かない?」


淳一は笑顔を戻し、綾音に聞く。


「唐突すぎない?」


苦笑しながら綾音は問う。


「忙しい?」


忙しいなら無理にとは言わないけど、淳一は続けた。


「そんなことはないけど・・・」


「じゃあ、行こうぜ。ずっと、遊んでなかったからさ」


微笑みながら言う淳一。


その言葉はきっと、綾音と遊んでなかったという意味なのだろう。


しかし、綾音にはそうは聞こえなかった。


何かはわからない。


けれど、別の意味が含まれている。そんな気がした。



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小高淳一。


彼がどう絡んでくるのか・・・。


次回は金曜日です。


土、日あたりにみなさんのブログ見に行きたいなと思っています。