「え・・・」
言葉に詰まる。
真正面からこんなことを言われたのは初めてだった。
「だめ・・・かな?」
「そんなことないけど」
悠太は一旦菜穂から視線を外す。
「言われるとすごくやりずらい・・・」
「じゃあ、言わなかったらしてくれた?」
少し不満そうに睨みながら菜穂は悠太に問う。
外で車が大きな水しぶきを上げて通り過ぎていく。
どうやら雨が降っているらしい。
「多分・・・」
確証の持てない自信のない言葉。
これは工程を意味するより否定を意味する。
「・・・やっぱ、佐野君は草食系だよね」
棘のない嫌味を菜穂は口にする。
「そうだね」
否定はしない。そこは自覚をしているからだ。
綾音の時もその前の彼女の時も、キスをするのはそんなすぐのデートじゃない。
一か月。それくらいの時を経てからしていた。
それもすべて、相手から。
みんな口をそろえて言う。
『悠太君からのキスを待ってたんだけどな』
手をつなぐことも、抱きしめることも、キスをすることも。
自分から行うことはまずない。
最初だけ・・・。
二回目以降は自分から行うのだが、初めてはすべて相手に任せてしまう。
初めては怖い。『いやだ』そう否定されるのが怖い。
焦って次のステップへ進んで、拒絶をされたら・・・辛いんだ。
「佐野君はキスしたことあるんだよね?」
「まあ・・・一応は」
「何人と?」
間髪いれずに菜穂は質問を重ねる。
何人と・・・。悠太は今までに付き合った彼女たちの顔を思い返し、その中でキスした人数を数える。
「・・・いいたくない」
「まさか、二桁とか?」
「さすがにそれはない」
苦笑しながら悠太は答える。
有りえない人数。第一、二桁も付き合った人数自体いない。
「でも、したことあるんだよね?」
「そうだね」
ソファに座る2人の距離は依然として近い。
「だったら・・・教えて?」
菜穂の唇が悠太の視線に入る。
あまり赤くなく、自然体に近い小さな唇。
「わかった」
悠太はそう言って、菜穂の顔に近付き、そっと唇を重ねた。
潤んだ感触が、少しの温かさが伝わる。
悠太はゆっくり唇を離して、菜穂を見る。
「どう・・・だった?」
悠太が聞くと、菜穂は下を向き、すごいドキドキした。息を大きく一回吐いた後にそう言った。
そして、悠太の手を握り、顔を上げる。
「私今ね、生きてて一番幸せ」
顔を赤らめながら言う菜穂に、悠太の顔も赤く染まった。
これが、悠太からした最初のキス。
今までしたことないぐらい緊張したキス。
それが菜穂との間で交わされた・・・。
↑ ↑ ↑
押してください~!!
励みになるので
午前中には程遠いですね。
申し訳ありません。
ただ、今日は更新しなけらばということで・・・頑張りました。
次回は月曜日になります。
時間は・・・未定ですww
決まったら、なうで呟きますね。
・・・ファーストキス。いい響きですよねww
僕は菜穂ほどではないですが、結構遅いですw
ちなみに、このファーストキスというタイトルには二つの意味があります。
なんでしょう?w
ではまた月曜日!!!