二度と手の届かないものだと知って、想い知る。
相手の大きさに。大切さに。
失っちゃいけないものだった。
ずっとそばにいてほしい・・・。
いくら願ったところでそれは叶うはずはない。
アドレスを消された。その事実によって。
辛そうな顔をしていた。
自惚れ何かじゃなくて、恋人出会った以上、そしてその顔を見ればわかる。
悠太はまだ自分のことを好きでいてくれているということが。
もしかしたら、まだ悠太は好きでいてくれているかもしれない。
だったら・・・。
アドレス帳に悠太の名前はまだ残っている。
アドレスは変えるのは簡単だから、繋がる可能性は低いが電話ならそう簡単には変わらない。
かけようか・・・?
いや、違う。そうじゃない。
綾音は思い直す。
それじゃあ、だめなんだ。
悠太はきっと今、新しい道に進もうとしている。
綾音をあきらめて、違う未来を。
違う相手と。
悠太には綾音はもう必要ないんだ。
そう考えると、もう追いかけることはできない。
もう、綾音は必要ない。そう告げられることは嫌だ。
今以上にきっと・・・痛みを味わうことになるから・・・。
「それに、違うじゃん・・・」
綾音は呟いた。
誰という訳じゃない。自分の中にいる、悠太が大好きでしょうがない自分へ・・・だ。
アドレスを残した理由は、そんな期待の持てる甘いモノのためなんかじゃない。
その名前を見ることで。
そのアドレスを見ることで。
初恋の人を忘れないため。初めての恋人のことを忘れないため。
彼との楽しかった思い出を忘れないため。
そして・・・
自分が犯した過ちを忘れないため・・・。
そのために、悠太のアドレスがある。
綾音は携帯を閉じて、目を瞑る。
「綾音・・・」
悠太が自分の名前を呼ぶその絵が浮かんだ。
一ヶ月経ってもその色は褪せることはない。
むしろ、前より濃く、鮮明に描き出されている。
そんな幻想の悠太に綾音は小さく呟く。
「あの時はごめんね。ほんとはね。私、今も悠太君のこと好きなんだよ・・・」
そんなセリフを受けて、彼の表情は少し変化する。
その表情は自分の望んでいた嬉しそうな顔ではなく・・・
寂しそうな顔。
「なんで・・・そんなこと言うんだよ」
責めるわけでもなく・・・静かに、少しだけ冷たく。
悠太は呟いた。
「ごめん・・・でも・・・」
「もう俺さ、彼女いるんだよ。綾音のことは見れない・・・」
そう言って、悠太は綾音に背中を向ける。
「待って・・・待って!!!」
叫ぶその声は・・・悲痛なその声は悠太には届かない。
虚しく、あたりに響くだけで。
暗闇の中、取り残される自分。
夢の世界であるのは分かった。
だって、自分をこうやって見ることができるのだから。
自分の背中は虚しさと寂しさで満ち溢れていた。
顔を見てみる。
どうしようもなく辛そうで、今にも泣きそうで・・・。
そんな想いをするなら、別れを切り出さなければよかったのに。
馬鹿だなぁ・・・。
「そんな、泣くくらいだったら別れなければよかったのに」
別れを切り出した方が泣くって最低だよ?そう言った。
「だって・・・だって・・・」
夢の中にいる幻の綾音は言葉を紡ぐ言葉ができない。
子供のように、見つけられない言葉に嘆いて・・・そして泣いて。
「後悔してる?」
「うん」
「だったら・・・次する恋は、後悔しないようにしなくちゃだね」
諭す自分は大人びていて。
夢じゃなくて、現実でこうならないといけない・・・。
綾音はそう思った。
大切なものは二度と戻らない。
それでも、もし会えたときに。
潔く、別れを承諾してくれた君のためにも。
笑って話せるように・・・強くなりたい
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勉強しに友達の家にいたので・・・。
ストックがへってきた!!
やばいなww
次回は明後日の11日。
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