別れた原因は私に合った。彼には一切の非はなかった。
24日のクリスマスイブ。
綾音と悠太は当たり前のようにその日に会う約束をして、当日を迎えた。
「イルミネーション、どんな感じなんだろうね?」
楽しみだなぁ。綾音はそう言葉を続ける。
初めて見る、都会のイルミネーション。
地面に描かれる模様が変化するイルミネーションはとても綺麗らしい。
「そうだね。もう始まるらしいけど」
「え?そうなの?」
まだ全然明るいよ?綾音は驚きながら悠太を見る。
イルミネーションというものは暗くなってからのものだと思っていたので、意表を突かれた。
「5時からなんだってさ」
そう書いてあったよ。悠太はあらかじめ調べてきていたのか、はっきりとした口調でそういった。
「エスコートはばっちりですね」
微笑しながら綾音は言った。
「・・・それは嫌み?」
少し不満そうに悠太は聞く。
何の悪意もなく、ちゃんと自分のために調べてきてくれたのが嬉しくてそういったのだが、悠太には違う意味で伝わってしまったらしい。
普段のデートでは悠太は自分から行く場所を決めない。
2人で悩んで、基本的には綾音が決めるか、街中を歩きながらどこに行こうか?なんて話をするかだ。
「嫌みじゃないから!」
「ならよかったです」
悠太は優しい笑みを浮かべた。
イルミネーションのところにはたくさんの人が並んでいて、警備員が誘導していた。
同じ場所にいられるのは3分までだと拡声器を使いながら説明している。
とは言っても、あまり聞く人はいない。
「橋の上から見る?」
そっちの方が見やすそうだから、という悠太の言葉に綾音は頷いて、2人は大量の人ごみの中から出ようとする。
しかし、なかなか思った方へ行けない。悠太の背中が少しずつ遠くなる。
必死に着いていこうとした時、悠太は立ち止まり綾音の方を振り返った。
「大丈夫か?」
手を差し伸べてくれる。
優しく・・・温かな手。
「ありがと」
綾音は悠太の手を握り、その後をついていく。
・・・あれ?
その時だった。綾音の頭の中には何か違和感があった。
けれど、その違和感の正体が何かはわからない。
何に、どうして違和感を覚えたのか。何もわからなかった。
そして、帰り道。
その違和感の正体に気づくことになる。
2人はプレゼントを交換して、お互いにそれを身につけ、駅への道のりを歩いていた。
綾音は小さなダイヤモンドの指輪を。悠太は腕時計を。
どちらも、高校生、大学生という歳を考えるとかなり奮発したものであった。
だからこそ・・・思えた。
悠太は自分のことを大切に想ってくれていると。
自分もそうであるように。
駅に近づいた時、悠太は強引に、綾音の手を引いた。
「どうしたの?」
綾音が聞くと、ちょっとね。悠太は答えをはぐらかした。
そして、立ち止まったのは、誰もいない小さな道。
そこで悠太は、優しく、そっと綾音の唇に自分の唇を重ねた。
この時、・・・あれ?
いつも起こる現象が起きなかった。
ここで実感する。さっきの違和感を。
彼に触れられた時、彼とキスをした時、彼に抱きしめられた時。
毎回のように
ドクン。
胸が震えた・・・高鳴った。
だけど、どうしてだろう?
鼓動に変化がない。
それを感じた瞬間、一つの疑問が浮かんだ。
もしかしたら・・・
私はもう彼のことが好きじゃないのかもしれない・・・。
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