17話 カダイヒョウカ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side 玲~


体育祭当日。


肌寒い中で僕らはジャージを着て、なぜか近くの競技場にいた。


一条の風は簡単にジャージに中から僕に体へと直撃する。


「寒いなぁ・・・」


「普通の学校に比べれば全然暖かい方なんじゃない?」


良一が言った。


「なんで?」


「普通の学校の体育祭は秋だろ?俺たちは春じゃん」


「・・・寒いことには変わりねぇよ」


「そうかねぇ・・・」


高校に入っての最初の体育祭。


それは思っていたものよりスケールは大きかった。


「ていうか、なんで競技場で体育祭やるんだよ」


「知らん。スポーツが強いからじゃないのか?」


良一は芝生の地面を何度も踏んで感触を確かめる。


「・・・そんな理由で?」


「そんなもんだろ」


「ふ~ん・・・」


僕はふと天を仰いだ。


青空の中に雲が点々と広がっている空。


平凡すぎるには楽しさを感じない。


遠くの方の空は、どんよりしていて雨が降っていそうだった。


あの雲・・・こっちに来るのかな。


僕は雨も晴れも嫌いだ。


雨が嫌いなのは言うまでもないが、晴れが嫌いなのは僕には似合わないから。


どんよりとした、ひねくれた。


そして、沈んでいる僕の性格には合わないんだ。


太陽の光は、そして青空は僕には眩しすぎる。


もう少し暗くないと僕はダメだ。


だから、僕が望むのは曇り。


太陽が雲を通して、薄らと光を僕らに届ける・・・。


それくらいがちょうどいいんだ。


空から視線を落として。


僕は自然と女子の方へ視線を映していた。


・・・そこに断じて男性特有の。


変態チックなものがあったとかではない。


彼女を眼で追っていたんだ。


大好きな人を。


「いた・・・」


見つけた瞬間、なぜかその安堵とも言えるような嬉しさの声は外に漏れていた。


「いた?」


良一が反応する。


「いや・・・なんでもないよ」


僕は彼女から視線を外すことなくそう返した。


ジャージを着ている彼女は、モデルをやっているとは思えない普通の女の子。


でも、どことなく周りの女のことは違う。


芸能人特有のオーラのようなものが見えた。


・・・それはきっと僕にだけなのだろう。


彼女を過大に評価している。


そんな僕にだけ。


周りから見た彼女はどんな女の子なんだろうか。


そんなことが気になった。


「なぁ・・・良一」


「ん?」


「お前から見た・・・いや。なんでもないや」


聞こうとしていることはばかばかしいこと。


それに気づいた僕は、途中で言葉を紡ぐのをやめる。


「なんだよ」


良一は僕を不満そうな顔で見る。


「なんでもないって」


僕は空を見上げた。


少しづつ雲がこっちに近づいてきている。


・・・ような気がした。



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