~side 玲~
体育祭当日。
肌寒い中で僕らはジャージを着て、なぜか近くの競技場にいた。
一条の風は簡単にジャージに中から僕に体へと直撃する。
「寒いなぁ・・・」
「普通の学校に比べれば全然暖かい方なんじゃない?」
良一が言った。
「なんで?」
「普通の学校の体育祭は秋だろ?俺たちは春じゃん」
「・・・寒いことには変わりねぇよ」
「そうかねぇ・・・」
高校に入っての最初の体育祭。
それは思っていたものよりスケールは大きかった。
「ていうか、なんで競技場で体育祭やるんだよ」
「知らん。スポーツが強いからじゃないのか?」
良一は芝生の地面を何度も踏んで感触を確かめる。
「・・・そんな理由で?」
「そんなもんだろ」
「ふ~ん・・・」
僕はふと天を仰いだ。
青空の中に雲が点々と広がっている空。
平凡すぎるには楽しさを感じない。
遠くの方の空は、どんよりしていて雨が降っていそうだった。
あの雲・・・こっちに来るのかな。
僕は雨も晴れも嫌いだ。
雨が嫌いなのは言うまでもないが、晴れが嫌いなのは僕には似合わないから。
どんよりとした、ひねくれた。
そして、沈んでいる僕の性格には合わないんだ。
太陽の光は、そして青空は僕には眩しすぎる。
もう少し暗くないと僕はダメだ。
だから、僕が望むのは曇り。
太陽が雲を通して、薄らと光を僕らに届ける・・・。
それくらいがちょうどいいんだ。
空から視線を落として。
僕は自然と女子の方へ視線を映していた。
・・・そこに断じて男性特有の。
変態チックなものがあったとかではない。
彼女を眼で追っていたんだ。
大好きな人を。
「いた・・・」
見つけた瞬間、なぜかその安堵とも言えるような嬉しさの声は外に漏れていた。
「いた?」
良一が反応する。
「いや・・・なんでもないよ」
僕は彼女から視線を外すことなくそう返した。
ジャージを着ている彼女は、モデルをやっているとは思えない普通の女の子。
でも、どことなく周りの女のことは違う。
芸能人特有のオーラのようなものが見えた。
・・・それはきっと僕にだけなのだろう。
彼女を過大に評価している。
そんな僕にだけ。
周りから見た彼女はどんな女の子なんだろうか。
そんなことが気になった。
「なぁ・・・良一」
「ん?」
「お前から見た・・・いや。なんでもないや」
聞こうとしていることはばかばかしいこと。
それに気づいた僕は、途中で言葉を紡ぐのをやめる。
「なんだよ」
良一は僕を不満そうな顔で見る。
「なんでもないって」
僕は空を見上げた。
少しづつ雲がこっちに近づいてきている。
・・・ような気がした。
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