14話 皮肉 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

ラブホテルに入ったのは二度目だった。


一度目は初めてを失ったあの日。


相手は・・・川越さん。


お世話になった事務所の人だ。


・・・お世話になったとは言わない・・・か。


ただ体を売っただけ。


痛く、苦しい・・・ただそれだけの行為。


他には何も感じなかった。


川越さんは気持ちいいとか連呼していたけど。


いや・・・私にももう一つ感じたものがある。


それは恐怖。


自分の中に相手のモノが入ってくるという恐怖。


やっている最中、相手のいやらしい顔を見た時の鳥肌が立つような恐怖。


同意の上なのに、まるで私は犯 されているような気持ちになった。


あの行為のどこが気持ちいいのだろう?


感じるのは男の人だけなのだろうか。


男が感じて女は感じない。


セックスという棒を穴に入れて動かすだけの馬鹿な行為は男だけが喜ぶ、そんな行為なのだろうか?


なら、なんで女もそれを了承する?


子供を作りたいなら分かる。


けど、作らないために、男にゴムをはめさせてやる。


・・・なんで?


痛いだけじゃないの?


女にもあれは気持ちいい行為なの?


もしそうなら、私は異常。


女として、人間として未完成なヒト。


それか、もしかしたら男の喜ぶ顔が見たくてやっているのかもしれない。


自分はなんら気持ちよくはないけど、相手のために。


相手がしたいといっているから・・・なんていう。


ははは。


思わず苦笑してしまう。


自己犠牲。相手に尽くすために痛い行為を伴わせる。


立派な愛だなぁ・・・。


私にだって人を愛するなんて感情はある。


今だって好きな人がいる。


何にだって代えがたい人が。


だけど、もしそうなったときに、私はしたいなんて言うだろうか?


相手がしたいと言った時に了承するだろうか?


・・・しない気がする。


人生はギブアンドテイク。


相手が望むものを与えるのなら、その分は貰わなくてはならない。


そう考えた時、私が今からする汚い行為は理にかなっている。


体というものを差しだす代わりに、名を売り出すのだから。


でも、それが恋人の場合。


体を差しだす代償はなんなのだろう?


・・・恋だの愛?


それはお互いに与えているものであるから、なんか違うんじゃないかって思うんだ。


まあ、もしもその行為が至福に感じたりしたのならば話は別だろうけど。


私はその場を通りかかったタクシーをつかまえる。


後部座席のドアが開いた。


綿が、頭をかがめながら乗り込むと


「どこまでですか?」


運転手が聞いてきた。


「六本木の***レストランで」


金平さんと待ち合わせをしたところ。


夕飯を御馳走になって、その後・・・。


わたしは二度目のセックスを体験する。


その未来は決定づけられていて、変わることはない。


皮肉な話だ。


好きな人とはそんな行為をしたいなんて思わない私だけど・・・。


利用できる人とはしようって思える。


その利用した先の未来へ望むものは、好きな人を振り向かせるためのもの。


この私の考えはひどく、最低なものだ。




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