9話 夜中 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「・・・はぁ」


僕はため息をつきながらベッドの上に寝転がった。


一連の過去を思い出し、余韻に浸って。


叶いもしない想いを抱き続けて・・・。


なにしてるんだろ・・・。


無音の中でチッ・・・チッ・・・と時計の針が進む音だけが耳に入る。


時刻は深夜三時。


普段ならとっくに寝てる時間だった。


今日は火曜日。


明日はもちろん学校がある。


今寝たら起きることは不可能に近い。


じゃあ、このまま起きてる?


いや、それは体力的にきつい。


確か・・・明日は体育祭の予行練習日。


一日中体を動かさなくてはならない日だ。


普段の授業だったら寝ればいい話だが、明日の場合寝るわけにもいかない。


どうすっかな・・・。


僕は目を閉じて頭を活性化させてこの後なにをすべきかを考える。


・・・。


全く浮かばない。


面白いぐらい何も。


とりあえず、今寝ることだけは避けよう。


そんな結論に達した。


明日体が動かないことより、行かないことの方が問題がある。


練習は所詮練習であってそれ以上でもそれ以下でもない。


本番ほどの重要性はないはずだ。


目を閉じていると、自然と欠伸がでた。


・・・眠気が急激にやってきたんだ。


「まずいな・・・」


思わずその言葉は声に出てしまうほどの危険度。


なにかしなくちゃ・・・。


僕は起き上がり、眠気を覚ます方法を模索する。


だがしかし。


部屋中を見渡すが、特に何も見当たらない。


徐々に目が開かなくなってくる。


「やばいやばい・・・」


僕は立ち上がり、寝れないようにする。


ただ立っているだけだとなにも面白くないので一階に降りる。


一階に降りたところで何もない。


リビングもダイニングも。


眠気は覚めることなく、足元をふらつかせるまでに増幅した。


その時、一条の風が僕の体を通り抜けた。


「寒っ・・・」


春とはいえ、深夜の風。


温かい風など来るはずもなく、冷気となって僕の体に当たる。


その瞬間、僕の眠気は覚めた。


・・・これでいいじゃん。


僕は自分の部屋に一度戻り、パジャマを脱ぎ捨ててパーカーを着て、ジーパンをはいた。


そして、パーカーの上からジャンパーを羽織り、携帯をポケットにしまう。


ポケットを一度叩いて、携帯があるのを確認した僕はまた一階に降りる。


そして、今度はリビングに向かうことなく玄関に向かった。


靴を履いて、親を起こさないようにそっとドアを開ける。


キィィ・・・。


いつもなら、聞こえないくらい小さなドアを開ける音。


しかし、こういうときだけは信じられないほど大きな音に聞こえる。


僕は足音を立てないように家から出て、ゆっくりドアを閉めた。


外に出て、まず一番に目に入ったのは天の景色だった。


今日は快晴だったということもあり、夜空からは星がたくさん見えた。


輝く星たちは、僕らを照らすのは程遠いもの。


だけど、僕にとってその輝きは月よりもきれいに見えた。


時刻は深夜四時。


夜はまだ更けることを知らない・・・。




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