100話 微笑んで | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「嫌だなぁ・・・」


彼女は少し不満そうにそう言った。


「しょうがないじゃん」


僕は苦笑しながら彼女の頭を撫でる。


「また、会えるから」


「次はいつぐらい?」


「ん~・・・。春休みぐらいで」


「二ヶ月も先・・・」


彼女は下を向いてため息をついた。


「ごめん。でも、極力会えるように頑張るから」


「ありがと。でも気持ちだけでいいよ。春休みまで待ちます」


「なんで?」


「遠距離なのを分かってて裕哉『君』と付き合うことを決めたんだし」


「ありがとう。そう言ってくれると助かる」


「裕哉君は私と会いたいと思ってくれてる?」


「もちろん」


僕は即答した。


すると彼女は笑顔で「なら、よかった」そう言った。


時間が気になり、僕は腕時計を見た。


「あ・・・もうすぐ電車来る・・・」


「そっか・・・」


名残惜しそうな彼女。


このまま背を向けて彼女と別れるのが気が引けた。


だけど、このまま帰れずにいつまでもズルズルといるとタイミングを失うそうな気がしたので次の電車で!


そう決めていたんだ。


「じゃあ、またメールするから」


「うん。ばいばい」


彼女は寂しそうに手を振る。


僕は手を振り返した後、彼女に背を向けて歩き出す。


一歩・・・二歩・・・三歩ほど歩いたところで


「うわっ!?」


後ろから理菜に抱きつかれる。


まあ、理菜は見えてはいないのだけれど他にいないのでこれが理菜だと確信ができる。


「理菜~?」


僕が後ろを振り向くと理奈が顔を赤らめて、ギュッと腕に力を込めて僕の腹部を抱きしめていた。


「ごめん・・・。頭では分かってるんだけど・・・」


「体が勝手に?」


「うん・・・」


彼女の頷きは可愛らしい。


そして愛おしい。


僕は彼女をそっと自分の体からはがす。


すると彼女の表情はとても寂しげ。


捨てられた子猫のような目はどうしても、その場に放置させることを難しくさせる。


だから、思わず・・・。


抱きしめてしまう。


抱きしめると相手の息遣いを感じる。


心臓の音が聞こえる。


体温が伝わる。


相手のことをもっと深く知ることが・・・感じることができるんだ。


相手を感じながら、僕は頭を優しく撫でて


「好きだよ」


そう呟く。


すると彼女は耳を真っ赤にさせて、ありがとう。


そう言った。


抱きしめている間は理菜の顔は見えない。


だから、どんな表情をしているのか分からない。


けど、だいたいの予想はついた。


耳と同様、顔も赤く染まっているんだろうなって。


抱きしめあって、僕達はお互いが必要な存在であることを感じ合う。


周りの視線は一切僕らには入ってこない。


二人だけの空間。


別の世界だった。


しかし、その別世界は長くは続かない。


電車がもう来てしまう。


「もう・・・行くから」


彼女から離れた僕はそう口にする。


「うん・・・」


「今度は制御してね?」


「わかってるよ」


「じゃあ、今度こそばいばい」


「うん。ばいばい」


僕は彼女の手と自分の手を絡める。


そして、ぎゅっと握りしめた後に離して、彼女に背を向けた。


歩き出しても、今度は彼女が抱きついてくることはない。


少しだけ期待していた自分が馬鹿みたいに思える。


「裕哉君!!」


その代わりなのか、彼女は大声で僕の名前を呼んだ。


僕が振り返ると彼女はニコッと微笑んで・・・


「大好き!!」


その声は駅構内に響き渡った。




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どうやって終わらせようかなぁw