~side裕哉~
理菜さんから出た言葉は言ってはいけない言葉。
相手を傷つける言葉。
だけど、僕はそこまで不快感を抱かなかった。
普通なら抱くはずなのだけれど・・・。
分かっていたから。
彼女の気持ちは。
当たり前で自然だったんだ。
理菜さんの口からその言葉が出てしまうのは。
まぁ・・・納得はしていたけれど、ここで終わらせることはできない。
その言葉は終結に相応しくない言葉だ。
どっちも好きだって言うのは、きっと隆弘君にも分かっていたはずだ。
雰囲気を察することができる人なら。
だから終わらない。
選ぶまで。
僕か・・・隆弘君か。
「理菜・・・」
「何・・・?」
「それじゃだめなんだよ・・・」
「でも・・・でも・・・」
ぐすん。
理菜さんが泣いているのがわかった。
苦しいよね・・・やっぱ・・・。
隆弘君の方を見た。
隆弘君の目にも涙がたまっている。
こうやって、彼を見て理菜さんの泣き声を聞いて思うことがある。
恋って・・・愛って何でするんだろうなぁ。
そんな単純なことを。
苦しんで・・・悲しんで。
甘い瞬間なんて少しだけ。
すぐにそれは苦みに変わってしまうんだ。
そんな恋を望んで僕らはしている。
甘い一瞬を求めて。
その結末がこれ。
ドア越しでもわかるほどに彼女は苦しんでいる。
ハッピーエンドなんて見えない。
どうすればみんなが幸せになるだろう・・・?
きっと無理だ。
どんなに考えても円満に行く方法なんて見当たらない。
僕を選べば隆弘君は不幸のどん底に落とされる。
理菜さんは巨大すぎるほどの罪悪感を背負う。
隆弘君を選んでも逆のことが起きるだけ。
そして、どっちを選んでも共通して起きることは理菜さんは罪悪感を背負わなくちゃいけないってこと。
理菜さんが切り替えの早い人ならいいけど、こうやって考えて悩んで、正直な気持ちを言って苦しんでしまう人だ。
罪悪感を背負わないはずが・・・ない。
優しい人だから。
僕らは今全員が苦しんでいる。
それはまるで奈落底のようなもので、そこから抜け出す術を僕らは知らない。
もがいて・・・もがいて・・・時間だけを浪費させる。
そして、何も変わらない。
キーンコーンカーンコーン。
昼休みの終わりを知らせる鐘が鳴った。
その鐘が一つの変化を生んだ。
隆弘君を行動に移らせたんだ。
「すいません。裕哉さん。理菜に会ってきたいです」
「了解」
僕はドア少しだけ隣に逸れる。
「裕哉さんは・・・会わなくていいんですか?」
「うん」
「そうですか」
彼は屋上に出ていく。
隆弘君はなにをするのだろうか。
少し気になった。
でも、出ていく訳にはいかないし・・・。
僕は外が見えるような窓を探す。
「・・・あった」
都合よく小窓が一つあった。
微妙な高さである窓は何の意味があって作られたかはわからない。
まあ、今はそんなことはどうでもいい。
僕はそこから顔を少しだけ出しす。
「・・・っ!」
そこから見えたのは・・・二人のキスシーン・・・。
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最終回が近づくにつれて、どんどん首が締まっていく気がする・・・。