45話 少しだけ | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side理菜~


映画が終わって、二人でファミレスに入る。


注文を済まして、さっき見た映画の話をする。


どうだっただのこうだっただの。


最後のシーンは少し違ったとか、音楽はすごくよかったとか。


後は・・・。


手を触れた時の話を少しだけ。


あの時はごめんって。


彼はひたすら謝ってた。


私は別にいいよって。


温かな手の温もりが少しだけ、手の甲にまだ残っている。


自分の手を見つめながらこんなことを思う。


うん。恋人みたいだ。


なんて。


もうすでに恋人なのに。


普通の恋人は何度目くらいで手を繋いで・・・キスをするのだろうか。


そして、何度目で・・・。


考えただけで赤面するようなうぶな私。


そして、手を繋ぐことさえ躊躇ってしまうような彼。


お似合いのカップル・・・・かな?


傍から私たちがどう見えているのかはわからないけど。


ご飯を食べ終わって、会計を済まして。


「どこ行く?」


私が聞いた。


彼は空を見ながら


「もうすぐ雨降りそうだし・・・帰る?」


・・・その言葉に少し不満。


「一緒にいたくないんだ?」


そんなことを言う私。


なんだか、私の方が彼のことがずっと大好きみたいだった。


何で私はこんなことを言っているのだろうか?


もしかしたら・・・。


少しずつ気持ちが動き始めている?


いやいや・・・。


それはないか。


すぐにそれを否定した私。


だってさ・・・。


もし彼を好きになっていたのなら・・・こんなに自分は冷静なはずがない。


裕哉さんと手を触れたのなら私は・・・。


きっと、舞い上がって顔が赤くなって。


倒れてしまうかもしれない。


それぐらい・・・。


そんなにも彼のことがいまだに大好きなのだから。


虚しいぐらいに・・・ね。


歩いていると、突然の大雨に見舞われる。


「あ~・・・やっぱり」


彼はそう言って、カバンの中から傘を取り出した。


おっ・・・。


準備がいい。


そして、私の方に傘を傾ける。


「それは男の子の優しさかな?」


「ん~・・・これが普通ってだけかな」


こうやって歩いていると、裕哉さんといた時のことを思い出す。


あの日もこうして急に雨が降ってきた。


私は彼に傘を貸した。


二人で入るのは難しいと思ったから。


だけど、裕哉さんは私を引き寄せて・・・。


あれはかなり嬉しかった。


だけど、今回はそういうことは起きそうにない。


だってこの傘は折り畳みにしては大きく、肩が触れる程度だから。


それに、相手が坂本君だから。


絶対にない。


そう言い切れる。


でも、彼の優しさはさりげなく素晴らしいものだと分かる。


彼の外側の方は当然のように濡れているのだから。


あからさまな優しさを彼はしない。


小さな・・・優しさ・・・。


そんなことを思いながら彼の方をぼけーとみていると


「ん?」


彼が不思議そうに私を見た。


「なんでもないよ」


私は慌てて、視線を前に戻す。


その時に、また肩がぶつかる。


さっきみたいに・・・昔みたいに。


温度が伝わることはない。


それでも。


少しだけ・・・


ほんの少しだけ・・・。


私の胸の鼓動が速くなった・・・。




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更新しました。


久しぶりの小説なのに遅くなってすいません。。


明日も・・・当分はまだ理菜編ですね。


いつになったら裕哉は出てくるのか・・・ww