~side理菜~
映画が終わって、二人でファミレスに入る。
注文を済まして、さっき見た映画の話をする。
どうだっただのこうだっただの。
最後のシーンは少し違ったとか、音楽はすごくよかったとか。
後は・・・。
手を触れた時の話を少しだけ。
あの時はごめんって。
彼はひたすら謝ってた。
私は別にいいよって。
温かな手の温もりが少しだけ、手の甲にまだ残っている。
自分の手を見つめながらこんなことを思う。
うん。恋人みたいだ。
なんて。
もうすでに恋人なのに。
普通の恋人は何度目くらいで手を繋いで・・・キスをするのだろうか。
そして、何度目で・・・。
考えただけで赤面するようなうぶな私。
そして、手を繋ぐことさえ躊躇ってしまうような彼。
お似合いのカップル・・・・かな?
傍から私たちがどう見えているのかはわからないけど。
ご飯を食べ終わって、会計を済まして。
「どこ行く?」
私が聞いた。
彼は空を見ながら
「もうすぐ雨降りそうだし・・・帰る?」
・・・その言葉に少し不満。
「一緒にいたくないんだ?」
そんなことを言う私。
なんだか、私の方が彼のことがずっと大好きみたいだった。
何で私はこんなことを言っているのだろうか?
もしかしたら・・・。
少しずつ気持ちが動き始めている?
いやいや・・・。
それはないか。
すぐにそれを否定した私。
だってさ・・・。
もし彼を好きになっていたのなら・・・こんなに自分は冷静なはずがない。
裕哉さんと手を触れたのなら私は・・・。
きっと、舞い上がって顔が赤くなって。
倒れてしまうかもしれない。
それぐらい・・・。
そんなにも彼のことがいまだに大好きなのだから。
虚しいぐらいに・・・ね。
歩いていると、突然の大雨に見舞われる。
「あ~・・・やっぱり」
彼はそう言って、カバンの中から傘を取り出した。
おっ・・・。
準備がいい。
そして、私の方に傘を傾ける。
「それは男の子の優しさかな?」
「ん~・・・これが普通ってだけかな」
こうやって歩いていると、裕哉さんといた時のことを思い出す。
あの日もこうして急に雨が降ってきた。
私は彼に傘を貸した。
二人で入るのは難しいと思ったから。
だけど、裕哉さんは私を引き寄せて・・・。
あれはかなり嬉しかった。
だけど、今回はそういうことは起きそうにない。
だってこの傘は折り畳みにしては大きく、肩が触れる程度だから。
それに、相手が坂本君だから。
絶対にない。
そう言い切れる。
でも、彼の優しさはさりげなく素晴らしいものだと分かる。
彼の外側の方は当然のように濡れているのだから。
あからさまな優しさを彼はしない。
小さな・・・優しさ・・・。
そんなことを思いながら彼の方をぼけーとみていると
「ん?」
彼が不思議そうに私を見た。
「なんでもないよ」
私は慌てて、視線を前に戻す。
その時に、また肩がぶつかる。
さっきみたいに・・・昔みたいに。
温度が伝わることはない。
それでも。
少しだけ・・・
ほんの少しだけ・・・。
私の胸の鼓動が速くなった・・・。
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久しぶりの小説なのに遅くなってすいません。。
明日も・・・当分はまだ理菜編ですね。
いつになったら裕哉は出てくるのか・・・ww