受付で鍵を渡されて指定された部屋へ僕達は向かった。
エレベータに乗って3階まで上がって廊下を歩いていって。
鍵に書かれてあった番号の部屋の前に来た。
麻衣はゆっくりとドアを開けた。
部屋の中は普通のホテルとはまるで違う雰囲気。
ベッド一つだし、内装ピンクだし。
いかがわしい、ビデオがなぜか置いてあるし。
普通のホテルではありえないことだらけの場所だった。
麻衣は上着を脱いで無言でベッドに腰掛けた。
ドクンドクン・・・。
自分の心臓の音が嫌に大きく聞こえる。
麻衣にも聞こえているんじゃないか?
あり得ないのにそう考えてしまう。
「翔君・・・隣座って?」
甘い声。
さっきまでの涙を浮かべていた麻衣はどこへ行った?
「う・・・ん・・・」
そんなこと言ったら僕だってさっきとは全然違う。
さっきは欲求に負けて、こんな場所に入ってきたのに。
いざこうしてみると・・・。
初めてという名の緊張、不安が一気にこみ上げてくる。
小心者。
その言葉が今の僕にはよく似合う。
すると麻衣が僕の胸に手を当てた。
「緊張してる?」
そう言って。
「・・・何でもお見通しなんだな」
「そりゃあ・・・ずっと翔君を見てきたんだから」
そう言って見せた、控えめな笑みに僕の欲求は最高潮に達した。
そして、一瞬我を忘れる。
「やっ・・・」
麻衣を押し倒す。
自我を取り戻した時・・・。
麻衣が下にいる・・・。
そして僕がいる。
その現状を理解した。
抵抗する気はない麻衣。
「・・・する?」
麻衣の問いかけに僕は「うん」と頷いた。
けれど、それは少し間をあけてから。
紗希の顔が浮かんで「やっぱやめる」
そう言おうとした。
だけど、それは本末転倒。
麻衣と付き合ってる理由は紗希を恋愛対象から外すため。
忘れるため・・・。
・・・なんて。
そんな理由じゃない。
ただ・・・自我の欲求が抑えられなくなっているだけだ。
麻衣が好きだからするんじゃなくて。
紗希を忘れたいからするんじゃなくて。
ただ、自分自身がその行為をしたいからするだけで・・・。
・・・最低。
自分自身に罵倒を浴びせながら、麻衣の服を脱がしていく。
ブラジャーを取った瞬間、麻衣は急激に顔を赤くして胸元を抑えた。
「どうした?」
「・・・恥ずかしい・・・」
その言葉がさらに僕の欲求を刺激する。
「見せて・・・」
僕はゆっくりと優しくその腕をどけて、麻衣の胸を触った。
そして、僕の手は麻衣の下半身へ迫っていく。
「ねぇ・・・」
「何?」
「電気・・・消して?」
女の子の常套文句。
「わかった」
電気を消すと、暗くて何も見えなくなる。
手探りで麻衣の体を触る。
目を凝らしていると次第に暗さになれてきて、麻衣の全身がぼやけてだが見えるようになってきた。
麻衣を全裸にして、前戯をする。
「ん・・・ぁ・・・」
麻衣が甘い・・・高い声を出す。
ここまで来るともう止まらなくなる。
今まで一度しかしたことがなかった舌を入れるキスも簡単に。
今までしたことがなかった手を入れることも簡単に。
麻衣の声がどんどん大きくなっていく。
「ぁ・・・ぃや・・・」
その言葉が否定出ないことを知っている。
初めての行為に戸惑うと思っていたが、意外とすんなりと。
僕は行為の一つ一つをこなしていく。
そして・・・。
「入れていい?」
僕は聞いた。
「うん・・・」
麻衣は頷いた。
けど、その表情は不安。
足が震えている。
「麻衣・・・初めて?」
「う・・・ん・・・」
「怖い?」
「怖いよ」
「だったら、なんで誘ったんだよ・・・」
「・・・翔くんだから・・・初めては翔君が良かったから・・・」
不安でいっぱいのその表情の中で必死に笑顔を浮かべる麻衣・・・。
・・・焦った結果・・・無理してる。
怖いのに、僕のことが好きで頑張ってる麻衣。
頑張って僕を誘って・・・。
余裕・・・そんな表情を見せたり、甘い声を出してみたり。
・・・それに対して僕は麻衣を好きではない・・・。
半端な気持ちが、麻衣を傷つけてしまいそうで・・・。
「麻衣・・・・やっぱりやめよ・・・」
僕はそう言って麻衣から体を離した。
だって・・・僕の頭の中には・・・。
何度も紗希の顔が浮かんでる・・・。
↑ ↑ ↑
押してくれると嬉しいです!!
結局やらないのか!!
みたいな感じです。
明日は麻衣編です。
デートが終わっての電車の中からです。
麻衣はどんな気持ちでいたのか。
言葉だけでも充分わかりますが、
心の中も・・・みてくれると嬉しいです!