16話 嘘をついた僕 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

たくさんの乗り物、アトラクションに乗って。


時間が経過していく。


東から昇っていた太陽も、西へと降りていって。


最後のパレードを見終わった頃には空は漆黒の闇に染まっていた。


遊園地も閉館の時間。


「帰ろっか」


僕がそう言うと麻衣は黙ってうなずいた。


時刻はもうすぐ12時。


電車に乗って僕らは地元まで帰る。


ガタンゴトン・・・。


電車の中で僕らはなにも話さなかった。


さっきまでははしゃいでいた麻衣。


どうしたのだろうか?


横目で麻衣の方を見る。


その表情から何も読み取れない。


麻衣は僕の視線に気づいて僕の方を見て


「どうしたの?」


「なんでもないよ」


僕はそう返して、窓から見える田舎町の風景を見た。


点々と光る街灯。


畑。


家々。


それらの景色はすぐに違う景色へと移り変わって。


ふと、左手に温かい・・・重みのあるものが乗った。


それは、僕の手を優しく握りしめた。


僕もその手を握り返した。


無言のまま。


こういうのが恋人っていうんだろうな。


そんなことを考える。


そして、家の最寄り駅に着く。


麻衣も僕も同じ駅。


それを知ったのは最近なのだが。


僕は手を握ったまま立ち上がって電車から降りた。


改札を通って、外に出る。


手を握ったまま。


外には誰もいなかった。


まあ、もう12時半だし。


ゆっくりと歩く。


「ねぇ、翔君」


「ん?」


僕らの声は嫌に大きく聞こえる。


普段なら車のエンジン音でかき消される声も。


今はすごく大きな声。


トンネルで大声を出した時みたいに反射しているときぐらい。


・・・それはいいすぎか。


「翔君の家・・・こっちじゃないよね?」


「ああ・・・そうだけど。家まで送っていこうかなって」


「え・・・それは嬉しいけど、もう夜遅いし早く帰った方が・・・」


らしくない麻衣の気遣い。


普段なら「ありがと!」とか言って素直に受け入れるはずなのに。


「こんな夜道に女の子が一人で歩いてる方がよっぽど問題あるし」


「・・・でも・・・」


「麻衣・・・なんかいつもと違うよ?」


すると麻衣はその場で立ち止まって・・・。


「怖いんだ・・・」


そう言った。


店の照明が消えて近くのある自動販売機の明かりと街灯だけが光る道。


「怖いって・・・?」


「私自身が壊れてしまいそうで・・・」


「意味が分かんない」


「翔君が好きすぎて・・・。焦ってるんだよ。今はこうして手を握ってくれるけど。また紗希ちゃんの方へ行っちゃうんじゃないかって」


「焦ってるって・・・俺は紗希を忘れようと・・・」


「そんなの・・・できないと思う。できるなら私は焦らない。翔君を私だけのものにしたい。だから・・・」


麻衣は僕の手を引っ張ってどこかへ歩き出す。


そして、数少ない明かりがついた店の前で立ち止まった。


そこは・・・。


「ね?私っておかしいでしょ?」


麻衣は悲しい笑みを浮かべた。


「麻衣・・・」


「私はこうまでしてでも翔君を手に入れたい。前まではそうは思わなかった。でも今日こうやってデートして改めて思ったんだよ」


麻衣の目から一粒の涙がこぼれた。


「翔君が好き・・・。ずっとそばにいてほしいって」


「麻衣・・・僕は・・・」


「何も言わないで。私の話だけ聞いて?」


「う・・・ん・・・」


「人間って欲張りな生き物なんだよ。昔の私は翔君を遠くで見ていられればいいって思ってた。その姿を目に焼き付けられればそれで十分だって」


昔・・・それはいつからなのだろうか?


「でも、大介君から話を聞いて付き合えるんじゃないかって思って嬉しくなった。それがたとえ利用されるだけであっても。だって、翔君に触れることができるようになるんだもん。この時点で私は欲張り。見ているだけじゃ満足できなくなっていたんだから」


また・・・涙がこぼれる。


泣いている麻衣・・・僕は初めて見た。


「そして、こうやってデートして・・・」


麻衣の手を握る力が強くなった。


「私・・・翔君をもう離したくないっ・・・!」


「麻衣・・・」


男って本当にだめな生き物。


最低な生き物。


小さい体。


細い指。


いつもは見たことのない弱々しい麻衣を見て。


僕は思わず麻衣を抱きしめた。


強く強く・・・。


この時、紗希の顔が脳裏に浮かんだ。


だけど・・・。


目の前にあるラブホテル。


普段は見ない麻衣の表情。


二つの欲求に負けて・・・。


「麻衣好きだよ・・・」


そう言った。


僕は自分の気持ちに嘘をついた・・・。


麻衣はこの言葉をどう受け止めたのか。


それは分からない。


ただ、


「ありがとう・・・」


そう呟いただけで・・・。




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週の始まりですね~。。


学校に行くのが憂鬱でならないww


あ~・・・。


小説ですが、この後ラブホテルに入って・・・2人は・・・?


ってとこです。


がしかし!!


明日はブログ紹介と日常ですww


ここで一日空けますww


どうなるのか予想しながら一日待っていただけると嬉しいです♪