『浩平』
学校からの帰り道。
なぜか、俺の最寄り駅で降りた愛美。
そして、日がもうすぐ落ちそうな時間帯。
2人で同じ道を歩く。
今日は12月21日。
クリスマスも近くなってきた。
「らしくないんじゃない?」
愛美の言葉で俺は足を止めた。
「なにが?」
「祐二に殴られただけで自分のやり方を変えちゃうなんてさ」
頬が、痛みだす。
もう・・・あれからけっこう経ったというのに。
「別に・・・俺はいつも通りだよ・・・」
止めていた足をまた動かす。
「それより、どこまでついてくるんだよ」
「君の家まで」
薄く笑いながら愛美は言った。
相変わらず・・・何を考えているかわからない瞳。
謎めいた少女・・・。
「愛美・・・帰るの遅くなるぞ。もうすぐ暗くなる」
「なに?心配してくれてんの?」
「・・・一応な」
「珍しい。ていうからしくない」
「・・・お前は俺にどうなってほしいんだよ」
俺はため息をつきながら愛美を見た。
街灯が眩しく光って私たちを照らし始めた。
「もうすぐ夜になるね」
「ああ。だから、早く帰れ。帰らないと・・・」
俺は、周りに誰もいないのを確認して愛美の方を掴んでブロック塀に押し付けた。
「っ・・・」
愛美はか弱い声で痛みを訴える。
「襲うよ?」
冗談。
でも、なるべく本気に見えるようにそういった。
「いいよ。浩平にその勇気があるなら」
愛美はほくそ笑む。
この余裕はどこから来るんだろうか?
俺が襲わないとでも思っているのだろうか?
それとも・・・。
「正解は後者だよ。浩平」
愛美は微笑みながら、俺の手首を掴んだ。
「・・・お前は心でも読めんのかよ・・・?」
「さぁね・・・」
愛美は、俺の手を自分の胸元に当てた。
「は・・・?」
俺の顔が思わず赤くなる。
今まで、触ってきた女の胸。
だけど、こんな触り方じゃなかった。
いつも強引に自分から。
初めての逆のパターンで動揺する俺に
「子供みたい」
バカにする愛美。
「・・・なんなんだよ」
「私・・・浩平が好きなんだよね」
自然に・・・他愛もない話をするような声のトーンでそういった。
は・・・?
「何言ってんだよ・・・」
俺は、握られていた手首を離して、一度愛美と距離をとった。
「聞こえなかったの?」
驚いている俺とは対照的。
平然と・・・凛としている愛美。
「いや・・・聞こえたけど・・・」
「じゃあ、私を襲ってよ。他の女の子を襲うみたいにさ」
「・・・なんだよそれ」
「今の私、無防備だよ?襲おうと思えば簡単でしょ」
愛美は誘うように、ワイシャツのボタンを上から三つ開ける。
胸元が露出して谷間が見えた。
「バカじゃねぇの・・・」
明らかに動揺している俺は、愛美から視線を逸らすように、空を見上げた。
「ほんと・・・大人しくなったんだね」
愛美は、「つまらない」とでも言いたげな表情でワイシャツのボタンを閉めていく。
「悪かったな」
「ホントだよ。祐二の鉄拳制裁がそんな聞いたとは」
「それは・・・あんまり関係ない・・・な」
雨の中での公園。
あの時のことをもい出す。
祐二からのダメージよりも、『妹』から言われた言葉の方が痛かった。
きっと、当の本人は俺のこと兄だとは思っていないだろうけど。
あいつは、そういうことには疎そうだから。
俺は・・・なんとなく気づいてた。
本格的に調べる前に、初めてあった時から。
それなのに、金を使って妹を買っていたのは・・・。
やめよう。
こんな無意味なことは。
自分の納得のできる言い訳を作ったところで何も変わらない。
俺は最低な人間。
それだけ。
「浩平」
「ん・・・?」
「私はおとなしい浩平も好きだよ。なんて・・・」
愛美は意味深な笑みを浮かべて、俺に背を向けて歩き出した。
『愛美』
「とりあえずやることはやったよ」
私は電話越しの相手に結果を報告した。
「さすが従妹だな。恩にきる」
「それにしても、ずいぶん大人しくなってたよ?どんな一撃加えたのさ」
「いや・・・僕は普通に殴っただけ」
「へぇ~・・・」
「なんだよ・・・?」
焦り気味の祐二の声が聞こえる。
「まあ・・・いいけど。報酬はくれるの?」
「いいよ。なにがいい?」
「祐二が作ったアップルパイ食べたいな」
「・・・了解」
めんどくさい。
その単語は今にも出てきそうな「了解」だった。
「こっちだって大変だったんだから」
「分かってるよ」
「ホント心配症なんだから祐二は・・・」
「別に・・・」
「まぁ、いいけど。私浩平のこと好きだし」
「そうなの!?」
「ん?比較的ね。まだ恋愛対象ではない」
ぐぅ・・・。
突如お腹が鳴った。
私は、電話での応答を続けながら周りの店を詮索する。
おっ・・・。
いい店があった。
私はカロリーなんてものを一切気にせずハンバーガーショップへ入っていった。
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書いてて、何だこれとか思ってました。
けど、もう一回書き直す気力もなく・・・。
これ、いつの話かわかりますか?
76話の前です。
ハンバーガーショップに晴香が入った時に、愛美がいた理由はこれです。
浩平に会っていたから、晴香たちの地元にいたんですね。
浩平と晴香は同じ中学でしたので。
76話に伏線入れようとしたんですけど、本当に書くかわからなかったんで・・・。
明日から数日は小説ストップで僕の日常を書きます。
まだ、ストーリが頭の中でまとまっていないので。
まとまったら、小説スタートです。
小説を見てくださっているみなさん。
僕の日常も見てくださいると嬉しいです。