「藤崎さん!!二番テーブルの注文取ってきて!!」
「は~い!!」
何でこういう時に限ってこんなに忙しいんだろうか?
体がフラフラする。
脳が正常に働かなくなりそうだ。
時間は夜7時半。
飲食店は忙しさのピークを迎える時間帯。
とはいえ、今日は平日。
普段はそこまでこまないはずなのに・・・。
「お待ち、10組様です!!」
・・・どういうことだ・・・。
いつもなんてお待ちとかいないだろ。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
熱がある中で必死の営業スマイル。
これだから接客は・・・。
家族連れの四人の客。
お父さん、お母さん、中学生くらいの男女二人。
三年生と一年生・・・ってところか。
羨ましい。
家族団らんでこういった店に入れる。
みんな笑顔で、楽しそうに。
「っ・・・」
私は首を横に振った。
何考えてるんだ私・・・。
心に隙がある時はこんなことを考えてしまう・・・。
「大丈夫ですか?」
お父さんが声をかけてくれる。
優しい微笑み。
いい人だなぁ・・・。
「あっ!!はい大丈夫です」
「じゃあ・・・注文は・・・」
****************
ピークが過ぎて客の人数も落ち着いてきた。
というより、さっきまでのが幻覚だとしか思えないくらい人が少なくなった。
三組くらいしかいないし。
そして、体調もだんだんよくなってきた。なぜか・・・。
時間は9時半。
あと30分で上がり・・・か。
高校生は10時まで。
それがこの国で決まっていること。
労働基準法・・・だっけか。
ただ、私はそれを破っている。
明日は深夜バイトが待っている。
11時から4時まで。
深夜の方が圧倒的に自給がいい。
だから、私は結構深夜にシフトを入れている。
まあ、融通がきかない店はダメだけど。
ちなみに、この店はダメだ。
店長は結構決まり事にはうるさい人だから。
カランカラーン。
お客さんが一人入ってきた。
「いらっしゃいま・・・」
私の声がそこで止まる。
「うおっ!?」
彼も同様に驚いた表情。
「椎名君・・・なんでここに・・・」
「なんでと言われても・・・。スパゲッティを食べに来たんだよ」
「・・・スパゲティだから」
「そんなことはどうでもいいじゃん」
「てか、一人で?」
「ああ・・・色々あって一人になった」
椎名君は苦笑した。
「そっか。まあ、とりあえず、空いてる席に座っといて」
「空いてる席だらけだが」
彼は周りを見渡しながら言う。
「適当に。で、注文決まったら呼んでね」
私はそう言って、厨房の方へ戻る。
「何?彼、知り合い?」
大学生女の先輩がニヤニヤしながら聞いてくる。
今、店内にいる従業員は私と、この女の先輩と無口な男の大学生だけだ。
普段、深夜は2人で回しているから10時からこの大学生二人だけとなる。
「知り合いです。同じクラスメートなんですよ」
「へぇ。けっこう可愛い感じのいい男の子じゃん」
「先輩・・・あれ好みですか?」
「けっこうね」
「年下好きですね~」
「まぁね。亜美ちゃんはダメなのああいう男の子?」
「・・・普通ですかね」
私は食器を手にとって専用のタオルでふく。
「普通って・・・」
呼び出しボタンが鳴った。
「あ、その彼よ。行ってきなさい」
「え~・・・先輩好みなら行ってくればいいじゃないですか」
「動くのめんどくさい」
先輩は壁に寄りかかって、携帯電話を開く。
「先輩・・・今バイト中ですよ?」
「いいのよ。人来ないし。早くいってきて」
「わかりましたぁ~・・・」
私は気乗りしないまま彼が座っているテーブルに向かう。
「ご注文はお決まりですか?」
今日何度目かわからない営業スマイル。
すると、椎名君は
「藤崎さんの普通の笑顔が見たいなぁ」
屈託のない笑みで言う。
「・・・それはさすがに」
「残念。それより、熱はどう?」
「・・・私は今仕事中です。お客様との私語は致しません」
ため息をつきながら私は言う。
「じゃあ、食べ終わったら外で待ってるよ。何時に終わるの?」
「10時。外寒いよ?」
「大丈夫だよ。そこまでひ弱じゃないから」
「あっそ・・・勝手にして」
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スーツ写メどうだったでしょうか?
目が腐ってしまうようなものをみせてしまってすいません・・・。
小説の方ですが、少し無理があるんじゃないかという設定。
だけど、学校の近くのバイト先だし、あってもおかしくない・・・はず。
この物語、80か81話で完結します。
ちなみに、一度晴香編に戻って最後は亜美編で終わります。
結局主人公は亜美・・・なのか?w