70話 Existence of the middle | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

授業が始まるということで佳純と椎名君は教室に戻っていった。


静かになる保健室。


それが当たり前なのだけど。


「やっとうるさいのがいなくなったわね~」


保健の先生が私に体温計を手渡す。


「そうですね」


私は苦笑いを浮かべながらそれを受け取った。


「あなたも無理しちゃだめよ?」


先生は近くにあったパイプいすに座る。


「なんのことですか?」


「こんな熱で学校に来たりして」


「あ~・・・もうすぐ欠席日数がやばいんですよ」


私はそう言って首筋をかいた。


「バイトと学校。家庭を助けるのは難しい?」


「そう・・・ですね。って、なんでそんなこと知ってるんですか?」


「あなたは学校の有名人よ?知らない人はいないわ」


先生は小さく笑いながら言った。


「有名人・・・なんですか?」


「学年ダントツのトップでこの学校に入学生した才女。それもこの学校で。知らないわけないじゃない」


「あはは。それはどうもです」


「よく、そこまで勉強できたわね。尊敬に値するわ」


「普通ですよ」


「やっぱ、すごい人ほど多くは語らないのね」


「先生。私を買いかぶりすぎですよ。勉強なんてやれば誰だってできますよ」


「でも、みんなやらない。なんだってそうよ。ある程度のことは人間努力すればできる。その分野のトップまで上り詰めるのはやはり才能も必要なのかもしれないけどね」


「先生は、何かのトップになったことはありますか?」


「あるわよ。たった一つだけ」


先生は人差し指を立てて意味深な表情を浮かべた。


「なんですかそれ?」


私は思わず身を乗り出して聞く。


「大切な人の一番」


先生はそう言ってほくそ笑む。


その言葉が、妙に私の胸に突き刺さった。


大切な人・・・か。


「少しくさかったかな?」


先生は照れ笑いを浮かべた。


「そんなことないです。なんか羨ましいです」


「あら?どうして?私はあなたの方が羨ましいわよ?」


「なんでですか?」


「文武両道で美少女。そんな女の子に一度生まれてみたかったわ~」


「そんなの、なんにもなりませんよ。言葉が少し悪いですけどどれだけブサイクでも大切で大好きな人両想いになれた方がきっと幸せじゃないですか」


「そう?ただ、幸せは人それぞれだと思うわよ。スポーツでトップになることに幸せを感じたり、恋愛に幸せを感じたり、仕事で成功することで幸せを感じたり、お金を持つことで幸せを感じたり」


「先生は?」


「私は当然二番。恋愛に幸せを感じてるわ」


先生は即答する。


「じゃあ、先生。私は何で幸せになればいいですか?」


「そんなの自分で決めることよ。だけど・・・」


先生は立ち上がって、私の頭に手を置いた。


「あなたには恋愛が一番似合っていると思うわ」


そう言って先生はドアの方へ向かう。


「じゃあ、私一度職員室へもどるから。安静にしてなさいよ。あと、ちなみに言っておくと、あなたならきっと将来お金持ちに簡単になることはできるわよ」


「なんでですか?」


「その顔、学歴この二つを駆使すれば玉の輿に乗れるから」


「玉の輿・・・ですか」


「だけど、私はあまりそれを推奨しない」


「なんでですか?」


「その相手が、本当に好きならそれでいいけど、大して好きでもないのにお金のために一つになるならそれはきっと本当の幸せじゃないから」


そこで一度区切って、先生は話を続ける。


「お金があれば大半は買える。心だって買えることができる。汚い心なら。だけど、幸せは買えないわよ」


「そうですね」


「まあ、綺麗事かもしれないけどね。じゃあね」


先生は部屋から出ていった。


保健室内には私ただ一人となった。


浩平にも先生にも。


何か似たようなことを言われた気がした。


言い方、伝え方。


それは全く違うけれど。


結局は『恋』なんだということ。


ただ、恋に恋したって人を本当に好きになることはできない。


本当に人を好きになるには、直感。


自分でどうにかできるものじゃない。


するものじゃない。


なら、やっぱり・・・。


「待つしかないのかなぁ・・・」


その時が来るのを。


私は上半身をベッドに沈ませる。


風が強く吹いている。


窓はきちんと閉まっているはずなのに、大きな音が聞こえる。


遠くの木々が辛そうに枝をしならせる。


幾度となくその光景を目にしてきた私。


けれど、そんなことを考えることはなかった。


自然に干渉する余裕はなかった。


けれど、今は少しだけ余裕がある。


何もすることなくベッドの上で休息をとっているのだから。




人は寒ければ寒いと言う。


木々はなにも言わずに堪えしのぐ。


人は暑ければ暑いという。


木々はなにも言わずに堪えしのぐ。


人間には感情があって木々には感情がない。


浩平と会っていた時の私は木々。


たまに人間。


その人間の時は憎悪でいっぱいだった。


今の私は幸せを知らない不完全な人間。


木々と人間の中間にいる存在。






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起床時間6時半・・・。


眠いし。


久しぶりだこんな健康的な朝は。


とはいいつつ、この記事の更新は10時設定です。


まあ、なんとなくですww


あと、この作品80話前後で終わる予定です。


ごちゃごちゃになってきたのでww


それと、スーツの件ですが申し訳ありません。


今日は時間がないので、明日ということで。。


明日なら暇なんでww


ではでは☆



ちなみに、先生が幸せは変えないって言っていましたが、幸せの定理は人それぞれなので買える人、買えない人がいると僕は思っています。