~side亜美~
いつも通り、私は浩平に弄ばれた後、家に帰った。
「ただいま」
「おかえりー」
お母さんの珍しく明るい声が聞こえた。
私は少し驚いて家の中に入る。
寝室を覗くがそこに母の姿はない。
いつもなら、寝込んでいるはずなのに。
母はどこにいるんだろうか?
その時、居間の方から物音が聞こえた。
私は居間に向かう。
「お母さん・・・」
私はそこにいたお母さんを見て唖然とした。
キッチンで料理を作っていたんだ。
お母さんは、私の姿を確認すると、野菜を切る手を止めて私の方を見る。
「おかえり。亜美」
優しい笑顔でそう言った。
「大丈夫なの?体を動かして」
「このくらいなら平気よ。最近すこしずつ具合も良くなってきてるしね」
「ほんと?あんまり無理しないでね?」
私はカバンを下ろしながらささやかな忠告をする。
「大丈夫よ。亜美こそ、体は大丈夫?」
「え・・・?」
ドキッとした。
お母さんはまさか知ってるんだろうか?
私が浩平に体を売ってお金を稼いでいることを。
「だから、体よ。バイト大変なんでしょ?」
「ああ・・・大丈夫だよ」
そういう意味か。
私は胸をなでおろした。
「ただ、高校生でちゃんと通用してるの?」
「大丈夫だよ。私大人っぽいから」
冗談交じりでそんなことを言ってみる。
「だといいけど」
お母さんはその冗談を軽く受け流して、また、料理を作り始める。
そんな母を見ると少し心配になる。
いつも寝込んでいた母が急に料理を作り始めるってことに。
確かに私にとっては自分の負担が減って非常に助かるのだが、お母さんに無理はさせたくない。
また倒れてほしくないし。
私のたった一人の家族なんだから。
普通の家庭にはいるはずの父。
それが家にはいない。
もし、いてくれれば経済的にも楽だっただろう。
けど、あの父はいなくなった。
どこかへ消えた。
私が小さいときに、母を捨ててどこかへ。
私には父の記憶はない。
だけど、憎い。
病弱な母を捨てて。
自分の子供を捨てて。
自分勝手に今も生きているであろうその男が。
もしも、その男に会えたなら。
私は何の躊躇もなく殴りかかるだろう。
今まで抱いたことのない怒り、憎しみをぶつけて。
けど、今に至るまで、その男のことは何一つ分かっていない。
母が口を閉ざして何も話してくれないから。
過去になにがあったのか。
知りたくても知れない。
けど、もしかするとその箱はパンドラの箱なのかもしれない。
だから、知りたくても。
絶対に知ってはいけないものなのかもしれないんだ。
私は、和室に入って、制服から私服に着替える。
その時、近くにあったたくさんの雑誌の束を見つけた。
「この束何?」
私はお母さんに聞く。
「昔の雑誌よ。邪魔だから捨てようかと思って」
「ふ~ん・・・」
ん・・・?
その雑誌の中に一枚の紙が挟まっているのが見えた。
なんだろうか。
私は折り畳まれていたその紙に触れた。
触れた瞬間背筋が凍った。
嫌な予感がする。
この紙は見てはいけないものかもしれない・・・。
私のよく当たる直感が危険信号を脳に届けた。
↑ ↑ ↑
押してくれると嬉しいです!!
亜美は何の紙を見つけたんですかね?
ここが第一のポイントです。
あ、そういえば今日は卒業式でした!!
僕の第二ボタンは健在でしたよw
あ、みんなけっこう後輩とかからネクタイ取られてましたねw