17話 パンドラの箱 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side亜美~


いつも通り、私は浩平に弄ばれた後、家に帰った。


「ただいま」


「おかえりー」


お母さんの珍しく明るい声が聞こえた。


私は少し驚いて家の中に入る。


寝室を覗くがそこに母の姿はない。


いつもなら、寝込んでいるはずなのに。


母はどこにいるんだろうか?


その時、居間の方から物音が聞こえた。


私は居間に向かう。


「お母さん・・・」


私はそこにいたお母さんを見て唖然とした。


キッチンで料理を作っていたんだ。


お母さんは、私の姿を確認すると、野菜を切る手を止めて私の方を見る。


「おかえり。亜美」


優しい笑顔でそう言った。


「大丈夫なの?体を動かして」


「このくらいなら平気よ。最近すこしずつ具合も良くなってきてるしね」


「ほんと?あんまり無理しないでね?」


私はカバンを下ろしながらささやかな忠告をする。


「大丈夫よ。亜美こそ、体は大丈夫?」


「え・・・?」


ドキッとした。


お母さんはまさか知ってるんだろうか?


私が浩平に体を売ってお金を稼いでいることを。


「だから、体よ。バイト大変なんでしょ?」


「ああ・・・大丈夫だよ」


そういう意味か。


私は胸をなでおろした。


「ただ、高校生でちゃんと通用してるの?」


「大丈夫だよ。私大人っぽいから」


冗談交じりでそんなことを言ってみる。


「だといいけど」


お母さんはその冗談を軽く受け流して、また、料理を作り始める。


そんな母を見ると少し心配になる。


いつも寝込んでいた母が急に料理を作り始めるってことに。


確かに私にとっては自分の負担が減って非常に助かるのだが、お母さんに無理はさせたくない。


また倒れてほしくないし。


私のたった一人の家族なんだから。


普通の家庭にはいるはずの父。


それが家にはいない。


もし、いてくれれば経済的にも楽だっただろう。


けど、あの父はいなくなった。


どこかへ消えた。


私が小さいときに、母を捨ててどこかへ。


私には父の記憶はない。


だけど、憎い。


病弱な母を捨てて。


自分の子供を捨てて。


自分勝手に今も生きているであろうその男が。


もしも、その男に会えたなら。


私は何の躊躇もなく殴りかかるだろう。


今まで抱いたことのない怒り、憎しみをぶつけて。


けど、今に至るまで、その男のことは何一つ分かっていない。


母が口を閉ざして何も話してくれないから。


過去になにがあったのか。


知りたくても知れない。


けど、もしかするとその箱はパンドラの箱なのかもしれない。


だから、知りたくても。


絶対に知ってはいけないものなのかもしれないんだ。


私は、和室に入って、制服から私服に着替える。


その時、近くにあったたくさんの雑誌の束を見つけた。


「この束何?」


私はお母さんに聞く。


「昔の雑誌よ。邪魔だから捨てようかと思って」


「ふ~ん・・・」


ん・・・?


その雑誌の中に一枚の紙が挟まっているのが見えた。


なんだろうか。


私は折り畳まれていたその紙に触れた。


触れた瞬間背筋が凍った。


嫌な予感がする。


この紙は見てはいけないものかもしれない・・・。


私のよく当たる直感が危険信号を脳に届けた。






にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

↑ ↑ ↑

押してくれると嬉しいです!!


亜美は何の紙を見つけたんですかね?


ここが第一のポイントです。


あ、そういえば今日は卒業式でした!!


僕の第二ボタンは健在でしたよw


あ、みんなけっこう後輩とかからネクタイ取られてましたねw