16話 悩みの大きさ | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side晴香~


「晴香」


誰かからの声が聞こえて、私は伏せた顔を上げる。


そこには、満面の笑みを浮かべた亜美の姿。


「どうしたの?」


「今日の体育、自習になるってさ」


すごく嬉しそうに亜美は言う。


「そうなんだ。なんで?」


「先生がいないんだって。よかった。今週の一番嫌なことがなくなって」


「泳げるようになれば好きになるかもよ?」


「ありえないよ~。私は万年カナヅチだから」


「少しは努力してみたら?」


「これだけは苦手だから」


「亜美は、他は得意なのにね」


「得意ってほどではないけどね」


亜美は相変わらず謙虚。


水泳以外は完璧な女の子だ。


可愛らしい容姿で勉強はクラスで一番。


スポーツも万能でなんでもできる。


だから、泳げないと知った時は驚いた。


そんなピンポイントで一つだけできないことがあるなんて。


「羨ましいよ。私は」


「何が?」


亜美がきょとんとした表情を浮かべる。


「なんでもできて・・・さ」


「そんなことないんだけどなぁ」


「あと・・・」


「ん?」


「悩みがなさそうで」


「そう見えるの?」


少し・・・口調が強くなった気がした。


「あ・・・ごめん」


私は反射的に謝る。


「え・・・なんで謝ってんの?」


亜美は焦ったように言う。


「いや・・・」


空気が悪くなる。


私が口ごもって何も言えなくなり、亜美も何も話さない。


お互いに無言で下を向いている。


そして・・・。


沈黙を破ったのは亜美の方だった。


「晴香の言った通り。私に悩みなんてないよ」


満面の笑みを浮かべて・・・。


彼女はそう言った。


その笑顔は作り笑顔。


亜美の作り笑顔はとても上手で分かりにくい。


けど・・・さ。


私にはわかるんだよ。亜美。


だって親友だから。


「そっか・・・」


でも、私は分かってないように話を流す。


きっとその悩みは言いづらいものなのだろうから。


いつか・・・亜美の方から話してくれるまで待つ。


それが私が出した答えだった。


「うん。晴香は何か悩みがあるの?」


「ん~・・・。やっぱり・・・」


私は、遠くの席で他の男子と談笑している祐二の方をチラッと見た。


「榊原君・・・か」


「そう。恋の悩みかな」





自分の中では。


この悩みはすごく大きいものだと思っていた。


なによりも。


誰かが抱える悩みなんて比にならないくらい大きいって。


だって、幼馴染相手に恋に落ちるなんて恋愛小説みたいにあり得ないことなんだし。


でも・・・。


いづれ私は知ることになる。


こんななやみはすごくちっぽけだったってこと。


もっと深い悩みを抱えた人が私の目の前にいて。


それが大切な親友で。


なのに、私は彼女のその悩みには気付けずにいたってことを・・・。







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昨日は更新できなくてすいませんでした。。


色々ありまして・・・。


そういえば、明日は卒業式です。


やっと高校生活が終わります☆


あ~・・・疲れたw


晴香と亜美。


あんまり、祐二と浩平が出てきませんね~w