30話 誤解 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side白石朔弥~


「夏実に何かしたの?」


保健室を出て僕らは階段を上った。


「いや・・・身に覚えがないな・・・」


「でも、謝った方がいいんじゃない?」


「そう・・・かもな」


僕は、保健室の方に引き返すことにした。


「ついていってあげようか?」


「僕は子供か?」


「私から見たらね」


「子供を好きになったの?」


「私は弟を好きになったつもりだよ」


「禁断の恋だな」


僕は苦笑する。


「そうだね。まあ、私は教室に戻るね」


「うん」


僕は佳奈が階段を上ったのを見送った後、保健室に向かった。


なんで、長嶋は圭一を残したのだろうか?


別に佳奈でいいじゃないか。


まるで・・・僕への当てつけみたいに・・・。


当てつけ?


もし・・・そうなら・・・。


そうなら、長嶋は僕が好きだってことを知っている?


いや・・・知るはずない。


ほとんど誰にもこの話はしたことないのだから。


話したのは、佳奈だけ・・・。


僕は、保健室のドアを開けようとして、その動作を止めてドアの前で立つ。


2人は何かの話をしていた。


けど、内容は聞き取れない。


変な好奇心が僕の欲求に火をつけた。


僕は、2人に気づかれないように少しだけドアを開けて、中を覗いた。


その時の僕はどんな表情をしていただろう?


嫌悪?嫉妬?憎しみ?悲しみ?


どれかの感情があった。


長嶋が圭一を誘うように2人はキスをしていた。


これが、僕らを遠ざけた理由か。


長嶋も・・・圭一のことが好きなんだ。


2人は両想いなんだ・・・。


その時、2人の舌が絡み合った。


おいおい・・・。


これ以上見てると、僕は圭一を殴ってしまうかもしれない。


そう思い、僕は保健室のドアをそっと閉めた。


音を立てないように。


これは・・・開けてはならないパンドラの箱だったのかもしれない。


僕が見てはいけないものだったのかもしれない。


なのに・・・愚かな僕は見てしまった。


圭一と長嶋・・・か。


僕は複雑な思いで階段を上っていく。


「帰ってくるの早かったね」


踊り場には佳奈がいた。


「教室に戻ったんじゃないの?」


「授業めんどくさいんだもん」


「学級委員が言うセリフか?」


「そこは言わないで。で、謝れた?」


「いや・・・」


僕は俯きがちにそう答えた。


「なんで?」


「・・・」


僕はなにも答えない。


というより言いづらいんだ。


「夏実と相馬君がキスをしてた・・・とか?」


「え・・・なんでそれを・・・」


僕は驚いて彼女を見る。


「え・・・当たりなの?適当に言ったんだけど・・・」


「正解だよ」


僕はそう言ってその場に座り込んだ。





あの時の僕らはずっとすれ違っていた。


お互いに違う人が好きなんじゃないかと思ってた。


そんな大きな誤解を2人は背負ったまま・・・違う道へと歩き出すんだ。


『大好き』という想いを伝えないまま。


僕達は卒業して高校生になったんだ・・・。









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今日はこっちは書きません。


久しぶりに日常を一つ書くので、見てください。


というより、お知らせなんですけどねww