僕は新しい自分の席に座った。
幸いにも、まだ隣の席の彼女は来ていない。
周りを見渡すと良く見た顔ばっかがいる。
小学校から同じ人や1年生の頃に同じクラスだった人・・・。
まあ、それだけいれば大概の生徒は顔見知りだ。
「はぁ・・・」
僕はため息をつきながら机に顔を伏せた。
この後、長嶋が来たらどうしよう・・・。
挙動不審な行動をとってしまいそうな気がする。
それに絶対顔が赤くなる。
・・・それは意地でも避けたい。
長嶋にばれたくない。
そんな思いが頭の中を駆け巡る。
その時、「おはよー」と言って教室に入ってくる生徒の声が耳に入った。
聞くだけで分かる。
この声は間違いなく長嶋のものだった。
平常心・・・・平常心・・・平常心・・・。
念仏を唱えるかのように僕は心の中で呟く。
そして、隣の席から音がした。
「おはよう。どうしたの?寝不足?」
悟られるなよ・・・自分。
そう自分に脅しをかけてから僕は顔を上げた。
「最近、寝不足なんだよね」
僕は目をこすりながら言った。
「そうなんだ。そういえば、こうやって話すの久しぶりだね」
長嶋は笑顔で言う。
「そう・・・だね。中学校入ってからは初めて」
「一年ぶりかぁ・・・」
「結構経ったね」
「また、これからよろしくね」
「うん・・・」
僕達の最初の会話はこれだけ。
けど、この会話で僕の心臓は張り裂けそうだった。
これから始まる中学二年の学校生活。
毎日が大変な気がする・・・。
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