122話 由美からの電話 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

携帯のバイブ音で僕は目を覚ました。


家に着いた後、元々置いてあったベッドに寝転がり眠っていたんだ。


荷物はまだトランクケースの中のままだ。


僕はバイブ音が鳴り響いている携帯電話を見る。


由美からの・・・電話だった。


眠気は一気に覚めて僕は電話に出る。


『もしもし・・・』


愛しい彼女の声が聞こえてきた。


『もしもし』


『メール見たよ。その時間にどこに待ち合わせにする?』


『由美の家に僕が行くよ』


『いや・・・それは・・・』


『嫌だ?』


『なんとなく』


『わかった。じゃあ、あの場所は?』


『まだ血がついてるかもよ?』


由美は冗談交じりに言った。


『確かにな。じゃあ、どうしようか?』


『私が君の家に行くよ』


『は?』


予想外の答えに僕は戸惑う。


『家、前と同じなんでしょ?なら行くよ』


『こなくていいよ。それだったら渋谷駅にしない?』


『・・・了解。じゃあ、渋谷駅で』


由美は電話を切った。


僕はその後今日初めて時間を確認した。


時刻はまだ10時。


「あと7時間か・・・」


僕はパーカーを着る。


少し外に出てみたくなったんだ。


十分睡眠はとった。


久しぶりの東京の街並みを歩くのもいいかもしれない。


由美と会う前に。


僕は靴をはいて外に出る。


一条の肌寒い風が僕の体を通り抜ける。


周りにはちらほらカップルがいる。


顔立ちを見てる限り高校生だろうか?


もう冬休みだからいても不思議じゃないか・・・。


僕は駅に向かって歩き出す。


まだ電気のついてない不格好なイルミネーションが駅に向かうにつれて増えていく。


夜になれば電気代とかを気にすることなく大量に光が灯されるのだろう。


こんなことを考えている僕はクリスマスという舞台に不釣り合いな男かもしれない。


でも、僕は舞台からは下りない。


キリストの聖夜に僕は由美と会う約束をしているんだから。


その日はカップルの全員が主役だ。


僕もその一人になる・・・はず。


僕は電車に乗って色々なところを廻った。


新宿、原宿、汐留、お台場・・・。


いくらの交通費を使ったかはわからない。


そして、何のために行ったのかも。


昼食時は一人でいるのが気不味かったし。


僕は時計を見た。、


時刻は午後4時。


もうすぐ渋谷に向かった方がいいかもしれない。


僕はこれで今日何度目かわからない改札を通った。