二日目の朝。
目覚めが悪かったのは言うまでもなかった。
全身が悲鳴を上げる。
立ち上がる力が入らない。
僕は隣のベッドを見た。
隼人はもう起きていて、移動する準備を始めていた。
僕の記憶はあの後からはもうなかった。
多分意識を失っていたのだろう。
それか、なんとか歩いたか・・・。
その真実は後で夏帆から聞くしかない。
モーニングコールが鳴る。
隼人は無言でその音を止めた。
僕は何とか起き上がり、荷物をまとめる。
「っ・・・」
立ち上がると同時に腹部に痛みを感じる。
耐えられないほどの痛みではないが、十分痛い。
「・・・大丈夫か?」
こっちを見ることなく隼人は言った。
「おかげさまで・・・」
「・・・これ以上はなにもしねぇよ。ただ・・・」
そこで、隼人は一旦手を止める。
僕に背中を向けたままだけど。
「どちらか・・・選ばないと絶対後悔するぞ・・・」
「は・・・?」
隼人はなにを知ってるんだ?
まさか、由美のことを知ってるのか・・・?
「それだけだ。早く行くぞ。もうバス来てるかもしれないし・・・」
隼人は荷物を担ぎ、部屋を出る。
「ああ・・・」
僕も荷物を担ぎ部屋を出る。
そして、バスに乗って目的地である稚内に着いた。
バスを降りた途端に凄まじいほどの冷気が僕の体を襲う。
旭川より寒い。
ただ、そう感じるだけかもしれないけど。
息を吐くと白い吐息が見える。
まだ九月なのに・・・。
僕は周りを見渡す。
ここが稚内か。
ここのどこかに由美がいる。
お互い、ここに滞在するのは今日一日。
自由時間になったら早く探さないと。
観光名所を回っていれば会えるかもしれない。
けど、今はあんまり走れない。
腹痛のせいで。
でも、会える。
僕達が運命の糸で繋がっているのなら・・・。
そして、数か所を観光した後、自由時間になった。