99話 どちらかを選ぶこと | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

二日目の朝。


目覚めが悪かったのは言うまでもなかった。


全身が悲鳴を上げる。


立ち上がる力が入らない。


僕は隣のベッドを見た。


隼人はもう起きていて、移動する準備を始めていた。


僕の記憶はあの後からはもうなかった。


多分意識を失っていたのだろう。


それか、なんとか歩いたか・・・。


その真実は後で夏帆から聞くしかない。


モーニングコールが鳴る。


隼人は無言でその音を止めた。


僕は何とか起き上がり、荷物をまとめる。


「っ・・・」


立ち上がると同時に腹部に痛みを感じる。


耐えられないほどの痛みではないが、十分痛い。


「・・・大丈夫か?」


こっちを見ることなく隼人は言った。


「おかげさまで・・・」


「・・・これ以上はなにもしねぇよ。ただ・・・」


そこで、隼人は一旦手を止める。


僕に背中を向けたままだけど。


「どちらか・・・選ばないと絶対後悔するぞ・・・」


「は・・・?」


隼人はなにを知ってるんだ?


まさか、由美のことを知ってるのか・・・?


「それだけだ。早く行くぞ。もうバス来てるかもしれないし・・・」


隼人は荷物を担ぎ、部屋を出る。


「ああ・・・」


僕も荷物を担ぎ部屋を出る。


そして、バスに乗って目的地である稚内に着いた。


バスを降りた途端に凄まじいほどの冷気が僕の体を襲う。


旭川より寒い。


ただ、そう感じるだけかもしれないけど。


息を吐くと白い吐息が見える。


まだ九月なのに・・・。


僕は周りを見渡す。


ここが稚内か。


ここのどこかに由美がいる。


お互い、ここに滞在するのは今日一日。


自由時間になったら早く探さないと。


観光名所を回っていれば会えるかもしれない。


けど、今はあんまり走れない。


腹痛のせいで。


でも、会える。


僕達が運命の糸で繋がっているのなら・・・。


そして、数か所を観光した後、自由時間になった。