91話 二人きりの部屋 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

それは午後10時のことだった。


一人部屋のシングルベッドの傍らに座る。


私は周りを見渡す。


一人部屋にしてはかなり広い部屋。


3日目にして初めての一人部屋だった。


1日目と2日目は二人部屋。


まあ、そうは言ってもかなり豪華な部屋だったけど。


一般の修学旅行生が泊まるレベルではない。


さすがは金持ちが集まる学校だけはある。


しかも私のクラスはさらに優遇待遇。


3日目からは一人部屋なんだから。


一人部屋だと気を使わなくて済む。


二人部屋の時は1階にある風呂とかに行くタイミングも


計らなくちゃいけなかったし、それに隣で勉強してたから


あまり羽を伸ばせなかった。


私は冷蔵庫を開けて、あらかじめ入っていた


オレンジジュースを取り出した。


プルタブを開けて一気に飲み干す。


と同時に喉が潤わされて少しだけ幸せな気分になった。


安っぽい幸せだ。


私は内心肩をすくめて苦笑する。


その時、ドアがノックされる音が聞こえた。


誰が来たんだろう?


当たり前の疑問が私の頭の中を廻った。


私はドアノブに手を当てた時少し躊躇した。


自分の今の姿に。


上半身はパジャマの第二ボタンを開けて少し胸が見えそうな感じだ。


下着つけてないし・・・。


下半身は・・・まあ大丈夫か。


私は第二ボタンを閉めた後にドアを開けた。


そこにいたのは、蓮君だった。


「よっ」


彼は笑顔で私の目を見た。


「どうしたの?」


私は少し焦る。


「暇だからさ。入っていいかな?」


部屋に入れたら、二人きり。


少し展開が読めてくる。


けど、あの時の私は警戒心がほとんどなかった。


「いいよ」


そう言って私は彼を部屋の中に入れる。


「・・・広いなぁ~・・・」


彼は部屋の中を見渡す。


「特進選抜だからね」


誇らしげに言ってみた。


「さすがだね」


彼はそう言って、さっきまで私が座っていたベッドの端の方に座った。


私は飲み物を彼に渡して隣に座る。


「ありがとう」


彼は缶ジュースを受け取り、それを手の平で弄ぶ。


そして、彼は私にさっきとは少し・・・ほんの少しだけど


今までとは違う表情を浮かべた。