ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・
心臓の鼓動が聞こえる。
蓮君の顔を見ると・・・胸が痛くなる。
裕樹君の時は滅多になかった感情だ。
「どうした・・・?」
蓮君は不思議そうに私の方を見る。
「ん・・・何でもないよ・・・」
私は顔をそむける。
どうやら、蓮君の方を見ながらボッーとしてたらしい。
「由美ってさ・・・」
「え?何?」
「由美って彼氏とかいるの?」
少し顔を赤くしながら蓮君が聞いてきた。
もし、ここで私がいるって言ったら・・・彼は離れて行ってしまうんじゃないか・・・。
そんなことを考えてしまう。
だから・・・罪悪感がありながら・・・私は今の幸福を考えてしまうんだ。
「今はいないよ」
言った後、後悔する。
「そうなんだ」
彼の顔に笑顔が浮かんだ。
その顔を見ると私も嬉しくなる。
すると、蓮君の顔が近づいてきた。
彼が何をしようとするのかわかって、私は目を閉じた。
嫌じゃなかったから・・・。
けど、いくらまっても唇が重ならない。
私は薄眼を開けて彼の方を確認する。
その彼を見て私はさらに胸の鼓動が高鳴る。
重なる直前で躊躇して彼は顔を少し遠ざけたんだ。
「どうしたの・・・?」
「やっぱり、キスって大事なものなのかなって思って・・・」
そんな彼を見れば見るほど・・・。
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・
やっぱ、体は正直だ。
私は内心肩をすくめて苦笑する。
そして、私は自分の気持ちに素直になることにする。
「確かに、キスって大事だけどその重さは時間じゃなくて・・・相手のことをどれだけ考えているかだよ・・・」
そう言って私は彼にキスをした。
この時の私は少しおかしかったのかもしれない。
だって、裕樹君・・・。君のことが頭の中の隅にしかいなかったのだから・・・。