65話 後ろから・・・ | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

授業が終わり、下校となった。


今日一日で、何人の女の子に話かけられらことか・・・。


すこし疲れた・・・。


僕が帰り仕度をしていると、楓が


「一緒に帰らない?」


と僕を誘ってきた。


「いや・・・それはちょっと・・・」


僕はそれを断る。


別に嫌って訳じゃない。


けど、僕には由美がいる・・・。


その想いのおかげで僕は断れたんだ。


僕は少し残念がる楓に小さな罪悪感を感じながら、


一人で校門を出た。


その時、僕の中に一つの疑問が浮かぶ。


もし、この誘いが記憶がある夏帆からの誘いだったら・・・。


そうだったら、僕は楓の時と同じように簡単に断ることができるだろうか?


今、実際に考えればありえないこと。


けど・・・。


もし、OKを出してしまう自分が心の中にいるのなら・・・。


そんな自分は消し去らなくてはならないんだ。


「はぁ・・・」


僕は一つ大きなため息をついた。


そして、携帯を開く。


「メールは・・・まだ来てないか・・・」


少し、由美からのメールを期待していた。


由美からのメールが僕の気持ちを浄化してくれるかなと思ったんだけど・・・。


最寄駅について僕は、携帯を閉じて歩き出す。


「あの・・・」


その時、後ろから声をかけられた。


僕はその場に立ち止まる。


その声はすごく・・・聞き覚えのある声。


透き通った少し高めの声だ・・・。


誰だかわかった。


だから少し振り返るのが怖い。


だってきっと・・・『君』は僕のことを


『大切な人』とかじゃなくて『転校生』として・・・


ただの興味本位で声をかけてきたにすぎないのだから・・・。