52話 母親との会話 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「ふぅ・・・」


僕は気を紛らわせるためにテレビをつける。


別に見たい番組もなく、チャンネル変え続けて


てきとうなチャンネルで固定する。


それを何の感情を込めるわけでもなく、


ただ漠然と見るだけ。


その時、家の固定電話が鳴った。


・・・嫌な予感がする。


僕は立ち上がり、電話がある場所に向かう。


そして、目の前に立ち受話器を取った。


「もしもし・・・」


『裕樹・・・?』


その声はすごく昔から聞き覚えのある声。


自分の母親の声・・。


「久しぶり・・・」


『久しぶりね。手紙は読んでくれた?』


「ああ・・・数分前にな」


僕は少し皮肉交じりに言う。


『そう・・・。来てくれる?新潟に・・・・』


「嫌だって言ったら・・・?」


『・・・あなたへの仕送りがなくなるだけよ』


心なしか受話器の向こうで聞こえる声が冷たく感じた。


「それは来いってことだよな?」


『その通りよ。私も悪いとは思ってるわ。ほんとなら東京にしたかった。けど、仕事の都合上・・・。学校も変えてしまって・・・それに・・・』


「・・・やめろよ・・・。そんな三文芝居」


『なんだ。わかってたのね。まあ、とりあえず、あなたに選択権はないわ。新潟に来なさい』


「ああ・・・。わかった。一つ聞いていいか?」


『いいわよ』


「なんで、僕を呼ぶ必要がある?僕をあれだけ嫌っていたあなたが・・・」


『・・・それは言わないわ・・・なんとなくね・・・』


「なんだよ・・・それ・・・?」


『じゃあ、とりあえずあなたが来る日時だけ教えておくわ。8月10日よ』


僕は反射的に近くにあったカレンダーを見る。


今日は7月25日。


あと15日前後か・・・。


『それまでに親しい人に別れを言っときなさい。今の家と学校には全部こっちでやっておくわ』


「さすが・・・玉の輿に乗っただけあるな」


『ありがと。裕樹も感謝しなさいよ。これだけいい生活してられるんだから』


「そうだな。だから・・・なおさら分からないよ。僕をまた父親に会わせる理由が・・・」


『簡単なことよ。夫婦には子供がいた方が評判が良くて円満に見えるから。ただそれだけ・・・特に日本ではね。田舎という点も考慮してね・・・』


「計算高いな。そこまで考えてるのかよ。わかった」


『じゃあ、詳細はファックスか何かで知らせるわ。じゃあね・・・』


そう言ってあの人は電話を切った。