太陽が少しずつ光を失い、空が黄土色に染まるこの時刻。
ひぐらしの鳴き声が耳障りだ。
徐々に街の街灯に明かりが灯る。
メインストリートから一本逸れたこの道・・・
僕ら以外に誰も通る気配はない。
梨香さんが一回目を閉じる。
そしてまた開ける。
「じゃあ、聞いていいですか?」
また、笑みを浮かべるが目が笑っていない。
「いいですよ・・・」
「あなたと夏帆との関係は何ですか?あなたのこと・・・どこかで見たことあるんですよね・・・」
「・・・それを聞いてどうするんですか?」
なるべく、冷静さを保ちながら対応する。
「あなたは・・・夏帆のことを知っている・・・。今、私は夏帆のことを知りたいんです」
「は・・・?何を言ってるんですか・・・?」
「私は夏帆が今どこにいるのかを知りたい。あの事故の後どこにいるのかを・・・」
今・・・この人は何て言った・・・?
「夏帆は・・・生きているんですか?」
「あれ・・・?知らなかったんですか?あなたと夏帆との関係は何ですか?」
梨香さんは少し驚いた表情を浮かべる。
「その事故・・・関わってたの僕ですよ」
「なっ・・・」
「その時、一緒にいた彼氏・・・僕ですよ」
「・・・!!」
一瞬・・・梨香さんに憎悪の表情が見えたがすぐ笑顔に戻る。
「すいません・・・」
僕は頭を下げる。
「なんで、謝ってるんですか・・・?」
「僕のせいで彼女は・・・」
「それは・・・違いますよ・・・。事故はトラックのせい・・・それに・・・まだきっと生きてますから」
もう一度・・・梨香さんはその言葉を口にした。
夏帆は・・・生きてる・・・?