「はぁ・・・」
僕はため息をつきながら、家までの道のりを歩く。
僕の心の闇を由美は照らしてくれると言った。
けど、それはきっと由美にはできないこと。
僕の心の闇の原因は夏帆。
それを由美が照らす・・・か・・・。
「どうでしたか?由美お嬢様とのデートは?」
後ろから声を掛けられて僕は振り返る。
「佐伯さん・・・」
そこには梨香さんが買い物袋を持って立っていた。
「こんにちは・・・なにやってるんですか?」
「みてわかりません?買い物の帰りですよ」
梨香さんは持っていた買い物袋を僕に見せるように
少し持ち上げる。
「でも、なんでこっちまで・・・?」
由美の家からの帰り道、前からすれ違うならまだしも、
後ろからってことは由美の家を素通りしなければならない
のだから、当然のように思った疑問だった。
「悲しそうにとぼとぼと歩く、知ってる後ろ姿を見かけたのでちょっかいを出してみようかな~と思っただけです」
梨香さんは微笑む。
「へぇ~。別に悲しそうに歩いてるわけじゃないですよ」
「そうですか~?もしかして由美お嬢様に振られたとか?」
僕の顔を覗き込む。
「そんなことはないですよ。ていうか、あんま突っ込まなくていいですよ」
「じゃあ、本題に入っていいですか?」
梨香さんの表情から笑みが消えた・・・。