「わからないよ・・・。まだ聞いてないから」
僕はバツが悪そうに下を向き、そう言った。
「嘘・・・。だよね」
「は・・・?なんで・・・?」
「わかりやすいよ。拓也は・・・」
そういって真美は笑う。
「で・・・?医師の先生はなんて言ってた?」
「それは言えないよ・・・」
「まさか、もう余命がでたの?」
「でないよ。真美は絶対死なないから!!」
力強くそう言って、僕は真美の手を握った。
「なんか、これって・・・TVとかのもうすぐ死んじゃうパターンみたいなんだけど・・・」
そんな冗談を言う余裕すら真美はある。
それなのに僕は・・・。
真美にがんがあるって聞いてこんなに動揺して・・・。
一番つらいのは真美なんだ。
だから、僕が励まさなくちゃいけない。
励まされちゃだめなんだ・・・。
その時、握った手の方に真美の涙が落ちる。
少し冷たい。
僕は、真美を抱きしめる。
「真美は強いよ・・・。けど、強すぎちゃだめだよ。自分ひとりの力で立てないときは、僕に寄りかかって・・・?」
僕がそう言うと、真美は
「うん」
と泣きながら頷いた。