45話 君の声 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

僕はどうすればいい・・・?


暗闇に染まった空を見上げながら、


自分へ問いかける。


自分の想いをみんなに明かすこと?


それが正しい?


そうすることによって悲しむ人がいる。


その人と話すことがなくなるかもしれない。


その人はもう僕に笑顔を見せてくれないかもしれない。


香織は・・・もう僕のことを呼んでくれないかもしれない。


本当にそうなるかはわからない。


いつも通り接してくれるかもしれない。


けれど、それはきっと建前だろう・・・。


気付いたら、近くの公園の前まで来ていた。


昔、よく香織と遊んだ公園。


僕は、その公園のブランコに乗る。


金属がすり減る音が鳴り響く。


深夜ということもあり、周りには誰もいない。


ただ、一定の間隔で金属音が聞こえるだけ・・・。


昔の僕はきっとこんな感情で


ブランコには乗っていなかっただろう。


あの頃は、きっと香織のことをこういう風に


考えるとは思わなかった。


ただの友達・・・。


付き合って、こんなすぐに、


僕達の関係を白紙にしてくれって言ったら、


香織とは、きっと友達には戻れないだろう。


もう僕は、踏み込んだら戻れないところに来てしまったんだから・・・。


だったら、先に進むしかない。


香織との関係を崩して、自分が思うがままの道


を進むのか・・・。


それとも、自分の殺すのか・・・。


一度、自分を殺した。


殺すための道に行った。


けど・・・。


その時、誰かの足音が聞こえる。


と、同時に人のシルエットが公園の中に入ってくる。


誰だろう・・・。こんな時間に・・・。


暗くて誰だかの判別はまだできない。


その時、向こうから声をかけてくる。


「拓也・・・?」


その声が誰のものかは一瞬で判別ができた。