その時、またあの映像が浮かびだされる。
5歳くらいの男の子と女の子が一緒に歩いているあの映像。
これは、なんなんだ?
僕の記憶・・・?
二人の顔が見える。
男の子と女の子はすごく不安そうな顔を顔をしている。
迷子ってことか・・・?
「どうしたの?」
真美が心配そうに声をかけてくる。
その真美の顔が、女の子に重なる。
女の子は昔の真美・・・?
じゃあ、男の子は・・・?
そっか・・・。
記憶が少しだけ・・・断片だけよみがえる。
僕は無意識のうちに真美の手首をつかんでいた。
「え・・・?」
困惑の表情で僕のほうを見る。
「昔、この水族館にきた・・・って言ったよね?」
「え・・・?うん」
「その時の記憶って覚えてる?」
「・・・なんで・・・?」
「きたって言ってるってことは覚えてるよね?」
もう質問じゃなかった。
まるで、尋問。
「うん・・・」
「その相手って・・・」
「思い出した?」
さっきまでの動揺はなく、彼女は微笑した。
それは、なぜか覚悟を決めたかのよう・・・。
「ああ・・・。まだ断片だけど・・・」
「言ってみて」
「昔・・・一緒にこの水族館に来たことあるよな・・・?5歳くらいの頃に・・・」
「うん。来たよ。君と一緒に」
「いつから、それが僕だって気づいてた?」
「最初に見た時分かったよ・・・。だって・・・」
真美は少し泣きそうな目をしていた。
それがなぜだかわからない・・・。
「なんで、泣いてるの?」
「え・・・?」
「僕たちって初恋の相手・・・だよね・・・?」
「え・・・?あ、うん」
少しぎこちない彼女の返事。
え・・・?違うのか?
僕の断片の記憶は間違っている?
「違う・・・?」
「違くないよ。君は私の初恋の相手。小さい頃の。覚えてる?私たち、お互いの親と一緒にきてはぐれちゃったんだよ。それで二人で迷子になって・・・」
真美の言い方は、まるで自分に言い聞かせているようだ・・・。
でも
「うん。まだ一部だけだけど覚えてる。真美と迷子になったのも」
少しずつ、記憶が混ざっている・・・。
真美は本当のことを言ってる・・・。
けど・・・真美は本当に初恋の人・・・?