19話 欠片の一部 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

10分前に着いたにも関わらず、


彼女はそこにいた。


「来るの早いね」


僕は自転車を止めて、彼女の前に立つ。


「拓也君が来るの遅いだけだよ」


真美が言った。


「10分前なんだけど・・・」


「私は20分前からいたよ」


真美は自慢気に言った。


・・・自慢する事なのか?


「女の子を待たせたお詫びの言葉は~?」


真美は笑いながらそう言った。


「うん。じゃあ、すいません」


僕は一礼した。


「うん。OK。よろしい」


彼女はそう言って、僕に笑顔を見せる。


ずるいな~・・・。この笑顔。


可愛いすぎる。


「じゃあ、中に入ろ!」


彼女はそう言って、僕の手を引っ張る。


その手はいつもとは違い少し、冷たかった。


******************


「魚綺麗だね~」


真美が興奮しながらそう言った。


「水族館に来たことないの?」


僕がそう聞くと


「小さいころに一回あるよ」


巨大な水槽を眺めながら彼女はそう言った。


そのあと、僕の方を振り向いて


「拓也君は?」


と聞いてきた。


「僕は・・・」


あれ・・・?どうなんだろう?


水族館・・・。


昔、来たことがある・・・気がするんだ。


けど、いつとかの記憶がない・・・。


じゃあ、行ったことはない?


いや・・・けど、この水族館を見たことがある。


どこの水族館でもなくこの水族館を・・・。


外装の色や形。


水族館の中に入って最初に見える、イルカの模型。


そして内装。


見たことあるんだ。


じゃあ、テレビで見た?


こんなに知名度の低い水族館が?


ありえない。


なら、デジャヴ・・・とか?


違う!!


もしそうなら、なんだ!?


この鮮明な記憶は!?


僕はいつここに来た?


そして、だれと来たんだ・・・?