1話  彼女との出会い | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

  朝、家を出ると天気予報通り雨が降っていた。


傘をさして普段は歩かない最寄の駅までの道のりを歩く。

 

 普段は自転車通学。雨の日だけこうやって電車を利用する。


 傘をさしているにも関わらず、横殴りの雨のせいで冷たい水滴が僕の手や髪にあたる。


 ローファーに雨水が染み込み足の裏に冷気を感じる。


 朝、こうして降る雨は僕は嫌いだ。けど、好きな雨だってある。それは夜に降る雨。


 だれもいなく、静かな場所で夜に一人で雨にあたることで、心が浄化されるような気持ちになる。


 自分が流す心の涙を隠して、なかったことにしてくれる・・・。


 嫌なこと、悲しいことがあったときは雨にあたりたい。


そして雨を全身で受け止めながら空を見上げて泣くんだ。


 その涙はだれにも見えない。そんな思いを成就させるためにも雨は必要。


でも、朝降る雨は決して嬉しいものではない。


 だから、雨が降るのは夜だけがいい・・・。


 そんなことを空に願ったところで、神様は微動だにしない。そんなこと分かっているけど・・・。


 僕は今、自分が使った『神様』ということ言葉に思わず苦笑する。


 普段『神』という存在を否定している自分がその禁句でもあるその単語を使ったのだから。


 けれど、完全に否定できるわけじゃない。


 ただ、自分に見えてないだけで他人には見えてるのかもしれない。


 けれど、肯定するわけでもない。存在を証明することはできないのだから・・・。


 そんなことを考えているうちに駅に着く。


 無意識のうちに駅への道に辿り着くことができた方向音痴のはずの自分に驚いた。


 普段から無意識で目的地まで歩いた方がいいかもしれない。


 ホームに着くと同時に電車がきた。


 「今日、運いいのかも」

 

 独り言を呟きながら、電車に乗り込む。


 流石通勤ラッシュ!!すさまじい人の量だ・・・。


 学生とサラリーマンに押しつぶされる。


 前言撤回。ぜんぜん運よくないな・・・。


 電車の中では全く見動きがとれない。


 その時、一人の少女に目のピントが合う。


 もちろん、卑猥な目線でって訳ではない。


 正常な高校男子の目線で・・・だ。


 同じ高校の制服の女の子。


 黒髪のロングヘアーで少し幼さが残っているような顔。


 ん・・・?この子どこかで見たことあるような・・・。