以前、静岡のホールで、
ステージ上とバックステージのスプリンクラーが誤作動、
楽器や楽譜が水浸しに
というニュースがありましたけど、
あの続報はあるのでしょうか。
楽器類の被害額だけで、¥150,000,000を超えると報じられていました。
100点以上の楽器、という事ですが…
映像にあった通り、被害がわかりやすいのは、
ステージ上にセッティングしたら、
演目が終わるまでは動かされない楽器。
つまり、ピアノ、打楽器、ストリングベースなど。
チェロより高音域の弦楽器を舞台上に残してくる人は、まずいないでしょう。
見た感じ、楽曲の楽器編成はそれほど大きなものではなかったようなので、
それ以外の動かしにくい大型楽器などは無かったのでは…?
と見受けます。
被害額の大きな順で考えると、
まずはピアノ、あるいはストリングベースでしょう。
とにかく木を使うピアノ、ヴァイオリンは、とんでもなく高い。
湿気の影響を真っ先に、大きく受けますからね。
バックステージの弦楽器は演奏時以外なら、
ほぼ必ずケースに入れて、フタを閉めた状態になっているはずだけど、
もし空いていたなら、終わりでしょう。
木管楽器はケースにしまっていたなら、本体は無事かもしれない。
いずれにしても、バックステージなら、楽器というのは必ずケースが伴うということ、
ケースだけでもかなりの値段になることもあります。
おまけにスプリンクラーの水に耐えられたのかどうか、
判別の難しいところでしょう。
静岡だから(?)国産のピアノを使っていれば、
少しは額が抑えられたかも知れません。
でも海外の老舗の物だとしたら…
ストリングベースは、大きさの割に、そこまで高額ではない…
と同業者から聞いたことがありますが、
誰からも、具体的な金額を聞いたこと、無いんですよね。
「コレ、いくらだったの?」
なんて会話、仕事中にできるシチュエーションって、
そんなには無いはずですから。
打楽器類にも木を使った小物類があるけど、
これは大したことはないと思われます。
膜を張った太鼓の類は、おそらくこの膜を張り替えれば大丈夫でしょう。
あとは水をたっぷり吸った、楽譜。
楽譜って、作曲者の生まれた時から何年経過しているかで、
値段が変わるんです。
もちろんそれだけでなく、
作者や出版元の意向で、レンタルしかやっていないものもあるのです。
これに留まらず、
公演主催者、来場予定だった観客への補償もあるでしょう。
いずれにせよ、とんでもない失態です。
よく考えたら、今までこんな事態が起こらなかったコトも、
奇跡的だったのではないかと…
静岡シンフォニエッタの方々と同じく、オーケストラで演奏する者として、
実に悲しい出来事です。
今日もご覧頂き、ありがとうござます。