やめる覚悟
経営コンサルタントをやっていると、クライアント様から学ぶ機会がたくさんあります。
昨日も良い経営者の覚悟を触れさせていただきました。
2000万円の権利を放棄し、500万円を超えるキャッシュを捨てて、企画していた新しい事業の計画をストップすると言う内容でした。
彼はこの結論に至るまで、数日間体調を崩しながらも、ありとあらゆるシミュレーションを重ねた結果、「やめる」という結論に至りました。
もちろん上手く行く可能性もあった訳ですが、需要の見込みと、今回の過剰投資気味な計画を見比べた時、将来的なリスクを検討した結果でした。
「意思決定」は経営者にとって重要な仕事だと思います。
特にこのような後ろ向きな意思決定を行う覚悟こそが経営者の重要な能力だと感じされられる数時間でした。
彼は今回の事業計画の見直しをきっかけに、重要な意思決定は単独では行わないという社内制度改革も同時に実行したそうです。
撤退、事業縮小、事業売却、不採算部門の切り捨て、リストラ…。
こういう後ろ向きな意思決定って覚悟が入りますよね。でもこの意思決定ができなければ、ダラダラとランニングコストが流出し、取り返しのつかない致命傷になりかねません。
今回の件は上手く行く可能性もあったとは思いますが、私は英断だと感じました。だからこそ彼の会社の経営基盤は固く、毎年利益を重ねることができるのだと思います。