2020年 総括03 | ラジオ!Yotsugi Busters!!

2020年 総括03

おそらくこの会社は長くはないだろうと予想している。と言うのも、コロナでどの会社でも同じように売り上げが低迷していると思うがこの会社もまた然り。それだけでなくこの会社はUSはでかいと言うのが自慢で日本は弱小である。日本法人が設立からまだ5年くらいしか経過しておらず立ち上げだから仕方ないがずっと赤字続きなのだ。このコロナ渦において赤字続きのUSから見れば海の向こう側の小さい10人もいない日本支部をこのまま放っておくだろうか?USを守るために普通は事業を縮小しましてや赤字続きの日本支部は簡単にトカゲの尻尾切りされても仕方ないと僕は予想している。僕は外資系の怖さを知っている、突然「今月でうちの会社は倒産します」とか大胆なことを言うのだ。金融系や大きい企業になるとそれが顕著である。リーマンブラザーズの倒産の時にニュース映像を見るとみんな従業員が茶色段ボールのようなもの1箱に私物を詰め込んで会社から出ていく姿が映っていたがあれが海外の倒産した時の解雇の様子だ。従業員は箱を手渡され自分のデスクにある私物だけを入れて、カードキーや社員証をおいて出ていく。その荷物をまとめている間はずっと警備員が後ろで何か変なことをしないか見張っているのだ。これは顧客情報とか中には腹いせに何かやってやろうとやけになる人がいるからその防止策である。

 

まあうちの会社はそんなことまでしないと思うが、いきなり倒産は十分ありうる。僕は2016年に在職していた会社がとあるオランダの外資系企業の日本法人の営業代理店みたいなことをやっていたが、その時に僕が雇われてたった3ヶ月後にそのオランダ会社との契約を切られてしまった。2015年9月に僕は雇われ「これからオハラくんには稼いでもらうよ~」とか言われていたが2016年1月4日に出社したら「オランダ会社は大手に買収されることになりましたので、あとはよろしく」と言うメールが英語で飛んできてそれで終わり。ただし、この時は2016年6月から買収元の会社が全部仕切ることになっていたので6月までは不服だがその買収元へ簡単な引き継ぎ作業をしながらも仕事を続けた。あの時は不思議な気持ちだった、せっかく雇われたけど「6月で終わりか」と思いながらもオランダから出張で来た外人を連れて日本クライアントを訪問したりした。2016年の春先にフランス支社からきたフランス人男女2人を連れて京都や静岡の学会に参加した時がなぜかあの会社での思い出として今でも覚えている。フランス人男女はどちらも40手前くらいで男の方は白い肌に茶色混じりの金髪をワックスで立ち上げたクルーカットをしていて、陽気な楽しい人、女性の方は皺が目立つが40手前でもシュッとした体型を維持している少し小麦色の肌をした服装がおしゃれな女性でこれまたノリが良い面白い二人組だった。

今、NETFLIXで「エミリーin Paris」と言うドラマを見ているが、フランス人の働き方や生活に翻弄されるやり手の若いアメリカ女性エミリーを描いた女性向けドラマだが、なかなk面白い。フランス人は日本人と違って仕事は決して優先順位ではない、「食うために働いているだけ、働くために食っているわけじゃない」と言うのが彼らの生き方だ。だからバリバリ働こうとしているエミリーが彼らにとっては「俺たちの生活を乱すな」と言うことで邪魔者扱いを受ける。昔フランス人は昼飯に2時間かけるとか言われていたことがあるがそのドラマを見るとそれを本当にやっているし、お昼でも普通にワインを一本開けてみんなでゆったりとランチを楽しんでいる。東日本大震災の時に僕はとある会社で働いていたが、日本人は家族の安否よりも仕事の納期を心配していたのを覚えている。電車も止まっているのに自転車を購入してまで職場に行ったりとか僕はかなり異常に感じた。「地震の影響で作業ができません」と言えばいいじゃないか?むしろそれでクライアントが「いやそんなの知らねーから早く納品しろよ」とか言ってきたらそんな会社とは取引しなければいい、人命や安全よりも納期が優先な会社なんてこっちから願い下げだ。

 

閑話休題

 

フランス人二人組を引き連れて京都へそして静岡へと一緒に移動したが、時間がない朝にスタバが飲みたいとか言い出したりとにかくマイペースだった。印象的だったのは品川駅から京都まで新幹線で行こうとした当日の朝、フランス人女性は品川駅のあのぞろぞろと人が列をなして歩いている様子を物珍しそうに動画撮影していた。「何やってるの?」と聞くと「すごい異様な光景だから動画撮ったの。みんな一列になって同じ背広を着て無言で下を向きながら一方に向かって歩いていたから」と言っていた。確かに日本では通勤ラッシュは当たり前の光景だから疑問に思わなかったけど怖い光景だ。まるでBig Brotherによる監視社会みたいに余計なことを喋らず画一的に同じ格好と同じ行動を取ることを強いられているかのように。面白いのは日本人は別にそれを強要されていない、法律で罰せられるわけじゃないのにみんながみんな同じような行動をとる。日本は唯一成功した社会主義国と言われたことがあったが、その通りな気がする。

陽気なフランスコンビだったが仕事はちゃんとこなしていた。お客さんから聞かれたことに対して的確に答えていたし、外人が英語でプレゼンをやっているのは何か簡潔で様になっているというか引き込まれるものがある。静岡に着いた時は午前中がまるまる時間が余ったので僕が観光がてら浜松を案内してあげた。駅から浜松城まで歩いて案内してあげてその日は気温も高く天気も良い日で女性の方は花柄のワンピースにグラサンと言う完全にオフな格好で写真を撮ったり楽しんでいた。昼飯には日本を代表するファストフードのモスバーガーに連れて行ってあげた。フランス男性の方は食事の時に必ず水を頼む癖がありこのモスバーガーでも「水ください」と100円を出しながら店員に言っていたが「日本は水はタダだよ」と言うとすごく驚いていた。3日間に及ぶ外人を引き連れた出張で僕の顔にも少し疲れが出ていたのかモスバーガーを平げた後でこの二人が「オハラ、疲れただろう?あとは俺たち勝手に回っているからさ、君はホテルに帰って休みなよ」と急に優しさを見せ始めた。僕は素直にそのやさしさが嬉しかった。彼らはラフな格好しているが僕はずっとスーツを着ていたし、丁寧にどこにでもついてきてくれる僕を気遣ってくれたんだと思う。先のエミリーの話じゃないがフランス人からしたらずっとスーツで自分達についてきてくれる僕を働きすぎだと思ってくれたのかもしれない。「大丈夫だよ」と僕は笑って返した。その後も一緒にデパートを見てまわったりしたが、その中でビジュアル系ファッションを専門に扱っている服屋さんがあり「何これ?面白い」とフランス人の彼が中に入っていくと「うわー、これはだめだ」と非常に落胆した表情で僕にとある帽子を見せてきた。その帽子はいわゆるナチスの格好を模した帽子で鉤十字のマークが刻まれていた。フランスはナチスによって占領された歴史がありましてやナチスはヨーロッパではファッションにあしらって良いものではないのだ。「いやいや、ただのファッションだよ」と僕が言ったが「わかってるけどさ…」とさっきまでの陽気な様子から一転して一気にテンションが下がっていたのがすごい印象に残っている。日本もナチスと同盟組んでいたからフランス人からしたらそういう目で見られたりするのだろうか?

彼らが参加する静岡での講演会も無事に終わりその日の夜は打ち上げのためカラオケに行った。フランス人は歌うことよりも踊ることが好きで最終的に「Sex on the beach」とかクラブミュージックをリクエストして狭いカラオケルームで踊り狂っていた。22時をまわったくらいでカラオケを後にしてようやく僕は解放された、あとはこのフランスコンビは明日の朝には成田から帰国すると言うことで「それじゃ三日間ありがとね」と言うと女性の方が当たり前のように笑顔で両手を広げながら僕に近づいてきて抱擁をして、両頬くっつけてチュッチュとしてくれた。僕は嬉しくて疲れが一気に吹っ飛んだ。コロナで今は密着ができない世の中だが人同士のふれあいはとても大事だなと思う。この3ヶ月後には買収元が完全に業務を引き継ぎ僕のお役は御免だったがこの時の二人を連れて行った出張はなんだか今でも楽しい思い出として残っている。

 

閑話休題02

 

今の会社のことで気になるのが年末に突然古株の経理担当が退職したのだ。よく潰れる会社の特徴の1つに経理が突然退職すると言うのがある。経理は会社の懐を一番知っているから「この会社やばい」と言うことを察知するのが誰よりも早い。この会社の日本法人創立から5年間ずっといる人が急に辞めてしまった、なんかおかしい。さらにクライアントの1社から突然電話で「御社はアジア撤退するって本当ですか?」と言う電話が年末かかってきた。悪い噂が立ち始めると言うのも潰れる会社の特徴だ。そして最終的には海外のニュースサイトでこの会社のアジアビジネスを売却検討中か?みたいなニュースが流れてしまった。これに対してこの会社は特に何も言っていない。「最近こんな噂が出ているが、まあうまくやってくれ」みたいなメールは英語で回ってきたが、特にそれに対して日本社長からのコメントはない。社長の謎の外出が増えると言うのも潰れる会社の特徴だと聞いたことがあるがうちの日本社長もやたらテレワークが多いし、年末はほぼ出社していない。正直不安でいっぱいだ。

 

こんな感じでこの会社が存続するのも時間の問題だと思う。早くから転職活動を続けていたから一応他の社員よりかは先に動いているが僕ももう年齢も上だしあまり書類選考に通過することが多くない。面接も数回やったがなかなか採用までは漕ぎ着けることができていない。2019年まではどちらかというと人手不足だから転職する側に有利だということだったが今ではそれが逆転してしまった。誰も今のコロナを予測できなかったしこんなパニックに苛まれることを予測していない。そう考えるとテレビでズバズバ偉そうなことを言っている占い師ってどうなんだろうと思う、このことも予想して物を言ってもらいたいものだ。

 

・コロナによるいろんな変化

年収とかも条件をよく見て求人票を吟味しているが最近思うのは自分も含めコロナによって人々の価値観が大きく変わってしまったのではと言うこと。2020年に新卒の若者は入社したけどやることがないとか、内定を切られたとか、なんだかんだで2021年の新卒の大学生もどれくらいが仕事が決まっているんだろう?つくづく僕は2006年にイギリス留学に行っておいてよかったと思う。あの時「今しかできないし、今行かないと後悔すると思う」と今では絶交した友人に言ったが「俺の知り合いにもそう言って海外留学して結局何も身に付かないで帰ってきた人たくさんいるよ」とか否定的なことを言われたが、あの時に友人の言うことをそのまま鵜呑みにしていたら自分は一生イギリス留学はできなかったと思う。パンデミックなんて起きない、SFだと思っていたことが実際に起きてしまった。今の世の中、一寸先は何が起こるかわからないと言うことが証明されてしまった。いつこの騒動が収まるかまだ見通しはつかない、少なくとも2021年中に収まるとは思えない。従って、オリンピックも結局中止になるだろう。中止になった場合の経済損失は4兆5,151億円の見込みらしいからいよいよ日本経済が危ういことになるだろう。でも僕は中止するべきだと思う、むしろ早めに中止して舵取りして損失を最小限にするべきだと思う。そのオリンピックで使う予定だった金を少しでもこのコロナ対策に回すとか、命と経済を天秤に乗せるとある人は「経済優先」他方では「命が優先」と大きく分かれると思うが僕は完全に後者だ。先に述べた通り僕はフランス人の「食うために働いている、働くために食うわけじゃない」のマインドが好きだ。

 

今は旅行にも行けないし、高い洋服を買っても着ていく場所がないしましてや高いフランドのジュエリーを買ってもそれを見せる場所がないし、高級車を買うことも、女性を侍らせて豪遊することも全てができない状態。こんな時にお金の価値観というのは大きく変わっていくのではないかと思う。ちょっと前に若い人の〇〇離れとか言われて悟り世代とか揶揄されていたが、健康で質素な生活を送れればそれでいいと言う考えにだんだんみんな傾倒していくと思う。「2019年までは良かった。元の生活に戻りたい」と言うけど多分もう元に戻ることはできないと思う。このコロナを気をつけながらと言う生活が向こう何年も続くと思う。過去に戻るのではなく未来を生きないとだめだ、強制的に人々は少し先の未来の世界に時間を早回しされたんだと思う。リモートワークの推進、集まることではなくデジタルをフル活用したイベント、仮想現実を応用し自分がその場所にいくのではなくその場所が自分の元に来ると言う発想の転換。イギリス留学時代に世話になった友人が言っていたが「これからは誰もがスカイプなどを通じて話すようになり、実際に人に会うことがなくなるだろう。全てガジェットで事足りる時代がくる、唯一食べ物だけは転送することはできないから同じ食べ物がデリバリーで指定した時間に届くようになってオンラインで飲み会ができる時代が来るだろう」と言っていたがそれが現実のものとなってしまった。

 

これから生き抜くには新しい世界に迎合していく柔軟な心が必要だ。2年前までは「マスクをして接客なんて失礼だ」とか言っていた人がいたが今はマスクしない方が失礼だという考えが真逆の世界になっている。Iphoneは13年前の2007年に発売されたがたった10年で誰もがスマホを持つのが当たり前の世界になっている。時代は変化している世界も変化している気候も変動している、その全てがもう他人事じゃない。時代においていかれる人は近年の日本のようにガラパゴス化していくことを自覚するべきだ。

 

しかしながら、新しいものに触れそれを取捨選択するのは自分が判断しないと行けない。その時にあなたの哲学が問われる。今のような極限状態において経済を優先するか命を優先するかもまたあなたの哲学が問われる。あなたがどんな考えで今まで生きてきたか、あなたの価値観は、どんな映画をみてどんな芸術に触れたか、どんな文学を読み、どんな言葉に救われ、そしてどんな人に出会ってどんな体験を経て今の自分があるかが問われるのだ。コロナウイルスをChina Virusと呼称して一方的に中国を憎む運動にあなたも加担するのか?誰かのせいにしたりせず今のこの世界をより良くするにはどうすればいいのかと未来を考えるのか?よってたかってマイノリティな人種をマジョリティ側について一緒になって叩くのかそれとも勇気を持って大多数の間違った意見にNOと言う勇気を持つのか?

 

パンデミックによってより個が強調される時代になったと思う。集まることが少ないから自分で何かを考え、自分で何かを発信していかないと行けない。2021年、あなたはどのようにして生きていくか?

 

Fin