人の物を何でも「くれ」というのは全世界共通で失礼だ | ラジオ!Yotsugi Busters!!

人の物を何でも「くれ」というのは全世界共通で失礼だ

どーも、オハラです。

今週は僕の所属する会社がコンタクトレンズや眼鏡の企業イベントに参加していたので、いろいろと大変な毎日でした。

大きな会場を借りて行う企業展示で、出展企業は100を軽く越えるくらいの規模だ。疲れたり、気を使ったりの日々だったが、最終日にふと留学時代を思い出させるエピソードがあった。

それは、イベント最終日で僕のブースはもう終了一時間前くらいから片付けを初めていた。貼ってあったポスターも全部はがして丸めて、いつでも撤収できるように準備を進めていた。

すると「エクスキューズミー」と小太りのおっさんが英語で話しかけて来た。見た感じは浅黒のオリエンタルな風貌で彩度が強めの青色のスーツを着て、そのでっぷりとした腹から自国では会社を持った金持ちだということを伺わせていた。奥さんらしい女性も連れていて、典型的なオリエンタルの女性できめの細かい肌に整った顔立ちで、頭髪から首周りまでを布で覆っていた。

そのおっさんは発音もめちゃくちゃでごくごく簡単な単語のみの英語で僕に話かけてきた。「名刺をくれ」とそのおっさんが言ったので僕は名刺を取り出しおっさんに渡した。日本風の仰々しい名刺の渡し方は当然わかっていないのでおっさんは人差し指と中指で名刺を摘んでブースのショーケースの上に投げるように置いた。まあ日本は礼儀作法にうるさい国だからこれは文化の違いだ、仕方が無い、けど投げるように置くのはやっぱりむかつく。

そんなことを少しも表情に出さず僕は彼に丁寧に自分の名刺を渡した。彼はそれを同じく二本指ではさんで受け取ると「コンタクトレンズをやっていのか?」と聞いて来た。「はいそうです」と僕が答えるとそのおっさんは「ちょっとそれを見せてくれ」とたった今畳んだばかりのポスターを指差した。

面倒くさいなと思いながらもそのポスターを開いて見せた。これは布生地のタペストリーで長さは1メートル弱はある大型のポスターだ。ポスターの内容はレンズの素材や自社テクノロジーの概要などが写真入りで描かれているちょっと高級感のあるタペストリーである。

おっさんはそれを手に取って3秒ほど見ると、「これを自分の店に飾りたいからくれ」と言いだした。僕はびっくりして「え!?」と日本語で返してしまった。

突っ込みどころが多すぎる。まず、このポスターでどうしようというのだ?これは僕の会社の技術とかの説明ポスターであって、商品の宣伝ではない。それよりまず、このおっさんが何者なのかの自己紹介もないし、店を持っていると言っていたが何屋さんなのかわからない。僕の会社の商品を扱っているとも言ってないし、扱っていたとしても上述した通りこれは商品の広告じゃない。それら全ての説明を省いてただ単に「くれ」と言って来た。

しかも紙製のぺらぺらなポスターだったらまだしもこんな布に印刷した作成に結構な費用がかかりそうなタペストリーを「くれ」と言って「いいよ」と僕が言うとでも思ったのか?

僕ははっきりと「NO」と答えた。すると「じゃあ何かこれの小さいバージョンとかないか?それをくれ」と言いだした。だんだん相手にするのが面倒になってきたので、「じゃあちょっと上司に聞いてみます」とだけ答えて「OK、後でまた来るよ」と言って他のブースへ行ってしまった。僕たちはこの隙に荷物をたたんで、撤収した。紙のポスターも捨てて帰る予定だったが、あのおっさんが勝手に持って帰ったら困るので、一緒に持ち帰ることにした。

文化の違いというものか?僕は毎回、こういう人たちをすごいと思う。というのも、「これ欲しい、これくれ」くらいのレベルの英語力で海外へ出向いて、通訳も雇わずにビジネス交渉をしようという彼の精神力と行動力に脱帽してしまった。いろんなブースを手当たり次第に当たっていたみたいだが、たぶん誰も相手にはしなかったんだと思う。

この時に僕は留学中のとあるエピソードを思い出した。それは語学留学のスクールで、夜にパーティーをやったときのことだ。アラブやヨーロッパ、アジアのいろんな生徒達がみんなでお酒を飲んでスクールの食堂で騒いでいたら、とあるアラブ系の生徒が僕がたまたま巻いていたスカーフを指差して「あ、これは俺の国で売っているスカーフだ」と言って来た。たしかにこれは僕が前の週にアラブ人が経営するお店で買って来たもので、僕のお気に入りだった。

「あ、そうなの?」と僕が返すと「ちょっとこれ、貸して」と言って来た。しぶしぶという感じで「まあいいけど」とそいつに渡したら「ひゃっほー」という感じでそれを振り回しながら仲間の輪の中に入って行った。この時点でもう後悔した「貸さなきゃ良かった」と。気がつくとそのスカーフは色んなアラブ人に回されていて、自分の物のようにナンパしているヨーロッパ女性の首に巻いてやり「ほら、美人にぴったりだろ?」みたいな感じに扱っていた。この時点で「ああ、もうあのスカーフは返ってこないかもしれない」と悟った。

パーティーも終盤に近づいた頃、そろそろあのスカーフを返してもらおうとアラブ人を探したがどこに行ったかわからない。するとやっとそいつが僕のスカーフを頭に巻いたまま現れて「おい、このスカーフは俺の国のデザインなんだ」と言うもんだから僕は「だったら、何だよ?」と言うと「これ、くれ」と言いだした。

僕は「え!?」とまた日本語で返してしまった。理論がめちゃくちゃ過ぎてリアクションが取れなかった。というより、こいつは僕がそんなめちゃくちゃな理由であげるとでも思ったのか?10ポンドくらいで買った物なのに僕がただであげると思ったのか?しかも理由ががめちゃくちゃ過ぎる、自国の物だからって、そんな理由であげる訳無いだろ。

「NO」とはっきり言うと彼はふてくされたような顔をして畳もせず投げつけるように僕に返した。文化の違いだからという理由はあれど、こんなめちゃくちゃな理由で物を乞うことが彼らの国では当たり前なのだろうか?

日本は礼儀作法がうるさい国だ。時々僕も嫌になるときがある。もちろん「郷にいっては郷に従え」という言葉の通り、僕だってよその国に行ったらなるべくその国のルールには従うつもりだ。でも、最低限のマナーくらいは共通ではないだろうか?人の物をめちゃくちゃな理由でただで「くれ」というのは失礼だというのはどこの国も同じだと思うが。

何だか、文化の違いを再認識させられたそんな出来事でした。