「話すだけで本当に人は変わるのでしょうか?」とは
私が大学院の臨床心理士養成コースにいた時に,心理面接の
指導を受けていた先生にお尋ねした言葉です。
カウンセラーを目指していたくせに,正直当時の私は半信半疑でした。
先生は,「はい,変われますよ」と即座に答えられました。
私「話すだけで??」
先生「そうです」。
いまの私が同じことを尋ねられたら,私も即座に答えます。
「はい,変われますよ」。
あなたの話を聞かれるということは
あなた自身が受け止められるということです。
日々のちょっとした気づきや,嬉しかったこと,
悲しかったこと,寂しさ,怒り,
悔しい思い,情けないみじめな気持ち,
忘れられない思い出…
そうしたばらばらの断片を「話す」ことによって
少しずつまとまりができて,
「あなた」の形が浮かび上がってきます。
それはひとり語りでは得られないこと。
聴く耳を持つ相手がいてこそ成り立つ営みです。
真剣に聴く誰かに向かって話すことで人は,
知らなかった自分を発見し,
これまで気づかないふりをしてきた痛みに向き合い,
心をいたわり成長させることができます。
年齢は関係ありません。
話すことで,人は変われます。