緊急事態宣言が解除され,当相談室のある北堀江も少しにぎわいが戻ってきました。

しかしまだClosedの貼り紙のままのお店もあり,気にかかります。

 

この間に,セラピーの領域でもオンラインが多く使われるようになりました。

 

たとえば遠方の先生が主宰されるセミナーやグループスーパービジョンに
Zoomで簡単に参加できるようになったことは,コロナウィルス禍の思わぬ副産物でした。

今後もこんなふうに地域を越えた学びのつながりが広がるといいなと思います。

 

一方,オンラインによるセラピーはどうでしょうか。

ここはセラピストによって考え方がかなり分かれるところかもしれません。

あるセラピストの方は,「オンライン・セラピーは通常のセラピーとは別物である,

それでも,地方にいてセラピーを受けたくても受けられないような方々にとっては

役に立つのではないか」というお考えのもと,HPでも案内を出していらっしゃいます。

ただし,料金は通常のセラピーより高く設定しておられ,その理由は,

「安易にオンライン・セラピーに乗ってほしくない。料金が高くてもどうしても

オンラインで受けたいという方にだけ提供したいから」とのことで,

なるほどと思いました。

 

私自身は,今回の期間にオンラインや電話でのセラピーも経験する中で,

やはり実際にお会いして,同じ空間を共有することが重要であると改めて感じました。

非言語的な感覚や交流が精神分析的心理療法のいわば「肝」なのですが,

画面や受話器を通しての言葉のやり取りだけではそれはなかなか難しいと思いました。

 

とはいえ,今後もウィルスの第2波,第3波が予想される中において,

オンラインは全くやりませんということでは,セラピーの継続自体が難しくなり,

悩ましいところです。

オンラインの制約の中でどのようにセラピーの質を保ち,

ご相談者との作業を少しでも進めていけるのか,

これからも考えて行かないといけないと思っています。

 

くしくも,2020年を舞台にした映画『ブレードランナー』(1982年)は,

人間になれないレプリカント(アンドロイド)の葛藤を描くことで,

ではいったい人間であることを規定するものとは何なのかを問いかける作品ですが,

原作のタイトルは『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』です。

 

オンライン越しのセラピーは,電気羊の夢を誘うことになるのでしょうか。

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