今、つくばのPhoton Factoryで実験中ですが、今日は3月11日であることを思い出して、あの時の悲愴な気持ちを思い出しています。私は広島にいましたが、偶然、今いる本郷界隈のホテルで講演会があって、レアアースの話しをしている時に地震がありました。翌日の広大の後期試験の面接官に当たっていて、翌朝羽田までなんとかタクシーで行って、無事に面接に間に合ったことを覚えています。

さらに、その入試の日(3月12日)に、福島第一原発の1号機の水素爆発がありました。翌3月13日は北大への出張があったのですが、広島空港に向かう自分の車の中でその水素爆発のニュースをラジオで聞きながら、暗澹たる思いに駆られたこと、技術立国日本も衰えたしまったなと感じたこと、などをすごくよく覚えています。今までの人生の中で、最大の衝撃的な出来事でした。その時も、これは科学技術を担う人材の教育が劣化していることを反映していると思いましたが、その傾向は今でも続いていて、より厳しい状況にあると言わざるを得ません。

 

この悲しい気持ちを癒してくれたのが、スピッツの「つぐみ」という曲でした。この曲は、これらの思い出と共に心に残っています。

 

「愛してる」それだけじゃ 足りないけど 言わなくちゃ
うれしいとか 寂しいとか 君に生かされてる

 

沢山の人が亡くなってしまった光景をみて、以下の歌詞が胸に刺さりました。今のウクライナでもそうだけど。いつ何が起こるか、分からない。もっともっと、感謝の念をもって、周りの人を愛さなければ、と思う。

 

「愛してる」 この命 明日には 尽きるかも
言わなくちゃ 言わなくちゃ できるだけまじめに


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そのつぐみをいつも車内で歌っていた広島ナンバーの銀色の日産サニーは、1998年4月に広大に着任した際に買ったのですが、2021年7月に廃車となりました。私の家族や私にとって、とても思い出深い車ですし、学生さんをのせてお好み焼き屋さんや三瓶温泉(微生物起源酸化鉄(BIOS)が大規模に生成しているところ)やハンマー祭など、色々なところに行きました。懐かし過ぎます。その追悼のために、今乗っている車(銀色のシエンタ)のナンバーは3239(サニー、サンキュー)となっています。