チャイコフスキーはこのような世の中を予見したのか。交響曲4番の1楽章の、危機に直面したかのようなフィナーレ。悲しくも美しい2楽章。
どうかこの苦しみと悲しみが、かすかな希望(3楽章)を伝わって、4楽章最後の歓喜の歌に変わって欲しい。
プーチンよ。いかなる理由があるにせよ、クリスマスを目前にしたこの時期に、なぜあなたは、ウクライナ、そしてロシアの人々にこれほどの苦しみを与えるのか。
全世界を魅了するチャイコフスキーのこの音楽を、世界の誰もがためらいなく共有できるようにして欲しい。世界のどのオーケストラも喜んで奏でられるようにしてほしい。でないと、不世出の作曲家チャイコフスキーが、同じ民族の人だなんて、あまりに可哀想だ。
プーチンよ、ロシアが生んだチャイコフスキーのこの曲を聴いて、何か思って欲しい。チャイコフスキーに、ドストエフスキーに、トルストイに、あなたはどうやって顔向けをしようというのか。
このショルティ・シカゴ響のラストを聞いて欲しい。これだけの感動のラストを、世界中の人が共有できるようにして欲しい。