細部こそ、差
親父から教えてもらった仕事の話。
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僕の親父は、自営業をしていたので
子供の頃は、よく仕事先に連れ出された。
大人になった今でこそ、
親父とも普通に会話ができるが
子供の僕から見た親父は、
それは怖くて怖くて。
普通の「たわいも無い会話」なんて
ほとんどした記憶がない。
そんな親父との唯一と言っていい
会話の機会と言えば
親父の仕事を手伝いに
一緒に現場に行くときだった。
僕が物心ついた時から数えても
色々な仕事に携わっていた親父だけど
僕が思春期を迎える頃といえば
もっぱら建築の内装業だった。
いわゆる、一軒家とかマンションとかの
屋内を飾り付ける壁紙(クロス)とかの業者だ。
建築業の朝は早い。
思春期の真っ只中で
友達と遊びたいざかりの僕は
お構い無しに、朝の5時とかに叩き起こされ、
よく現場に連れ出された。
めんどくせーなー
とか
友達とあそびてーなー
とか
最初は気ダルく仕事を手伝っているのだが
1つだけ楽しい事があった。
それは、普段あまり会話をしない親父が
内装の仕事をしながら語ってくれるエピソードや物語が
僕にはとても新鮮だったのだ。
普段あまり話さないから
自分の父親と言えども、
正直、どんな性格な人なのかを
僕は正直わかっていなかった。
もっと正確に言えば、
父親としてのおやじは知っていても
1人の人間として、1人の社会人としてのおやじの事は
ほとんど知らなかったのだ。
そんな、
1人の人間としてのおやじと
唯一接することができる機会が、
仕事中での親父との会話だった。
その会話の中から、
親父の物事の考え方や、
仕事への姿勢、
責任感やプライドみたいなものに
触れるのが大好きだったし、
なんと言うか
かっこいいなー、というか
一生懸命、仕事に向き合う親父の子でよかったな、
と思う瞬間がたくさんあった。
いま振り返ると
僕の仕事観や、仕事へのプライド、負けん気といった
基本的な姿勢は、多分にこの頃の影響が大きいと思う。
そんな色んなことを学んだ親父との現場の中でも、
特に印象に残っている言葉がある。
それが、冒頭に書いた
細部こそ、差
という言葉だ。
とにかくうちの親父は
細かいところにコダワル人だった。
絶対に「誰も見てないよ」っていう細かいとこまで
丁寧に掃除したり、
壁紙を貼るときにも
絶対に他の業者さんはそこまでやらないよ、
ってレベルまで、細かくやる人だった。
「そこまでやっても、誰もみてないよ」
素直にそう感じて、僕が発した言葉に
親父は
「誰かが見てる、見てないは関係ない」
「自分の仕事(作品)として、どこまでコダワルか、の問題だ」
と言っていた。
そして、結果として
素人の僕から見ても
他の業者さんより、親父の仕事は仕上がりもきれいだし、
スピードも速かった。
親父は言った。
ひとつ雑な人は、どれも雑になる。
要するに、自分の合格ラインをドコに置くかだ。
逆に、ひとつの事にこだわれる人は
全てにこだわる事ができる。
結果、全てのクオリティがあがる。
それがプロだし、仕事をする職人としての誇りだ、と。
そして、それは必ず伝わり、
結果として信頼につながる。
そうすると、
難しい仕事、納期が短い仕事といった価値の高い仕事が
「松本さんに任せれば大丈夫」と
自然と自分のところに集まるようになる。
仕事は信頼関係だ、と。
「あの人なら」と思われることが大事だと。
その為に、ひとつひとつの細かい所にこだわるんだと。
逆に、誰かが見てない所を、ひとつ手を抜けば
信頼は崩れると。
(表現した言葉は違えど、このような意味だった記憶してます)
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今日、
僕が考えた企画、
作り上げた企画書、
送ったメッセージ
書いたメールは
プロの仕事としてのレベルに達していただろうか?
信頼が積み重なるレベルで
細部までコダワレていただろうか?
親父の教えが、身にしみます。