![夕焼け](https://stat.ameba.jp/user_images/20140724/14/yosuke-amano/22/9c/j/o0160012013012775694.jpg?caw=800)
その日、俺と君は、予定が何もなかった。
突然決まったロングドライブ。
神が与えてくれた、ひと時の時間。
なじみのインターに入ったのが、午後4時。
二人だけの慣れない時間を、ストリームのエキゾーストノートが
かき消してくれる。ホンダイズム。。。。。
俺は、時速150キロのスピードの中で、見慣れた君の横顔を
時折、見つめるだけだ。
途中、パーキングで無糖の缶コーヒーを、俺に放ってくれた君の
左の薬指には、あの指輪が無かった。
二人だけの夕陽に照れて、俺はアクセルを踏み込んだ。
遠く離れたオフィスに着いたのは、午後7時。
オフィスは、煌煌としたライトに満ちあふれている。
辣腕のプロデューサーとディレクターの指示で、みるみると
素晴らしい映像作品が完成し、HDのモニターを揺らしている。
まるで、俺たちの心の揺れを、あざ笑うかの様に。
無事、編集も終わり、皆に別れをつげ、俺は君にちょっとだけ
わがままを言った。
「このまま、帰るのはいやだ。せめて、夜中のコーヒーでも。」
君は、おいしいレストランを探すのに、助手席でナビを努めてくれた。
街を出たのは、午前2時半。
ハイウエイは、二人に遠慮するかの様に、漆黒の闇に閉ざされている。
ギアを握る左手が、もどかしく、俺はそっとカーナビをもて遊ぶ。
「朝焼け・・・・」
眠っていたと思っていた君が、ぽつりとつぶやいた。
「夕焼けと朝焼けを同じ日に、一緒に見た人が君だなんて・・」
「初めてです・・・」と君。
![朝焼け](https://stat.ameba.jp/user_images/20140724/14/yosuke-amano/de/d4/j/o0160012013012775695.jpg?caw=800)
俺は我慢できず、君に言ってしまった。
「俺、なんで、おめ~とよ~、夕陽見て朝日も一緒に見なきゃなんねんだ~!
ばっきゃろ~!これって、若いおね~ちゃんとのシチュエ~ションじゃああんんん」
いくら、山形オフィスの編集のアシストのためとは言え、夜中の日帰り出張は
今回だけにしようぜっっっ!それに、どうしても夜中に腹へってラーメン
食いたかったのさ。あ~、食いたかったさ。
な、T浩っっっっっ!!ぐっすん。