ドル売りの背景 | よそうかい - トレーダーの独り言 2

ドル売りの背景

NY為替はドル全面安。米財務長官の発言や弱気の経済指標、
FOMC声明など本日のイベントの多くがドル売りを後押しした。

ポールソン財務長官の発言を除き、本日のドル売りの背景に
あったのはインフレ懸念の後退だろう。

GDPは確かに予想を上回る強気の結果だったが、インフレ指標と
なるPCE指数は前期比マイナス、コアも2%をやや上回る程度と
落ち着きを見せていた。雇用コスト指数、シカゴPMIの価格指数も
インフレ後退を示唆する内容となり、ここから更にドル買いを
進めるような内容ではなかった。午後に発表されたFOMCも然り。
景気判断では住宅市場の安定を示唆するなどかなり強気の見通しを
示す一方、インフレに関してここまでの数ヶ月改善したと認め、
目先も穏やかに沈静化が進むとしている。

FEDがインフレ警戒の根拠の一つとしている賃金上昇については
触れておらず、このあたりは今週末の雇用統計を見るまでは何とも
いえないが、現在のFEDの見方は、景気良好、インフレも心配する
必要はないという、かなり楽観的なものといえよう。現時点で問題が
ないのなら、金利をいじる必要もない。これで少なくとも夏までは
利下げに動くことはないと見てよいだろう。利上げに関しては、
雇用の逼迫と原油価格上昇というジョーカー次第といったところか。

また、対円では財務長官が「円の動きを注意深く見ている」と発言した
ことが大きかった。何も円安を警戒していると言ったわけではないが、
市場はこれを明らかな円安警戒発言と受け取った。一方で長官は、
「日本政府はこのところ為替市場への実弾介入も、口先介入もしていない」と
姿勢を評価する発言もしている。結局のところどうなのだ、と聞きたく
なるような内容だったが、少なくとも欧州だけではなく米国も円安を
気にしていることだけは確かなようだ。

これでG7において何か動きがある可能性が高くなった。
政治的な匂いが高まったことで、クロス円は相当荒っぽい展開になるのではないか。