金価格とインフレ懸念 | よそうかい - トレーダーの独り言 2

金価格とインフレ懸念

NY金は続伸。

ドルが大きく反発したことを嫌気し売り先行で寄り付いた時には、
かなりの価格調整があるのではと覚悟したが、その後猛烈に
買い戻しが膨らみ結局は続伸で終了。恐らくは原油が上昇に
転じたことを好感してのものだろうが、地合いは想像以上に強い。

では、現時点で何が金の地合いを強くしているのだろう。
米指標に弱気の数字が並びFEDによる利下げ観測が高まった
昨年後半の上昇は、利下げによる流動性の上昇で市場への
資金流入が加速するとの期待が背景にあり、強気の雇用統計で
その期待が急速にしぼんだ12月以降は価格下落が進んでいた。
この流れは年初の急落で終止符を打ち、その後再び上昇基調が
強まっているのだが、正直なところ何が原因なのか掴みかねている。

最近は原油の値動きに影響されることが多いが、これが決定的な
理由とは考えにくい。イラン問題など国際情勢不安も引き続き支えとは
なるだろうが、今日明日に何か動きがあるとも思えない。
ちなみに、前日には春までに米国とイランの軍事衝突があるとの
見方が中東系のニュースサイトで流れたが、市場の反応を見る限り
ほとんど相手にされていない。現物の需要も600ドル台前半までの
価格水準なら下支えとなるのだろうが、ここまで価格が高くなると
需要も自然に細り、大きな力とはならないだろう。

残るところ、ETFをはじめとした投資需要が引き続き強いのと、
インフレ懸念となる。前者の場合はFEDの利下げに助けられなくとも
投資資金は引き続き市場に流入するという理屈で、今の相場の流れを
見る限りこれは正しいのだろう。もう一つはインフレヘッジとしての需要が
再び盛り上がるというものだが、雇用市場が引き続き好調で賃金上昇
圧力が強い間は、こういうところに注目が集まっても不思議ではない。
市場のインフレに対する見方の指標となるTIPS(インフレ連動債)と通常の
米国債の利回りスプレッドは、ここ数日急速に拡大している。この先更に
拡大するようなら、本格的に金上昇の手掛かりとなる可能性は高いだろう。
メディアが大きく取り上げ始める前に、注目度を高めておくことにしよう。