オーバーベット | よそうかい - トレーダーの独り言 2

オーバーベット

日本には市場がないのであまり馴染みはないかもしれないが、
天然ガス市場というのは、どこか魔性の魅力をもっている。

私もその昔、散々な目に遭った事が何回もあるのだが、
トレードを止めようという気には一度としてなったことはない。
ついつい、 "Buy September Natural at Market"とか
言ってオーダーを出してしまう。

天候という自分の力ではどうしようもないものに大きく値動きが影響されること、
そして値動きが他のどの相場よりもダイナミックなことが、
トレーダーの心を掴んで離さない魅力となっているのだろう。

今年は8月後半から涼しい日が続いたことや、
いつまでまってもハリケーンがやっていないことが嫌気され、
今月だけで23%、8月の初めからでは33%以上下落している。

米国の最大手ヘッジファンドの一つ、アマランスが
9月だけで40億ドル以上の損失を出したのも、
天然ガス取引の失敗によるところが大きい。

どうやら、ハリケーン絡みの相場上昇を見込んで
かなりのポジションを張っていたようだ。

40億ドル、という絶対的な額だけで騒ぐのもなんだが、
パーセンテージでも損失は35%以上になったらしい。
小規模のアグレッシブなファンドならまだしも、
これだけの大きなファンドにとっては致命的なマイナスだろう。

ちなみに、8月にもマザーロックというファンドが
天然ガスによる損失で閉鎖に追い込まれている。

こうした結果はほぼ100%ポジションの持ち過ぎ、
オーバーベットと呼ばれるものに原因がある。

オーバーベットは個人投資家がまず最初に陥る失敗の一つ。
資金管理、ポジションのコントロールの重要性は
いろんな本に書いてあるし、頭では十分に分かっているはず。

だが実際に相場を張ると、それはたちどころにどこかに消え去ってしまう。

ヘッジファンドというとマーケットのプロ中のプロ、とのイメージが強いが、
結局はみな同じあやまちを犯しているという事か。